第3作 1970年(昭和45年)1月15日公開
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(42)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(29)
- 諏訪博:前田吟(26)
- 車竜造:森川信(58)
- 車つね:三崎千恵子(50)
- タコ社長:太宰久雄(47)
- 御前様:笠智衆(66)
- 源公:佐藤蛾次郎(26)
- 駒子(川千屋の中居):春川ますみ(35)
- 信夫(お志津の弟):河原崎建三(27)
- 染奴(湯の山温泉芸者):香山美子(26)
- 清太郎(染奴の父親):花沢徳衛(59)
- 徳爺(湯の山温泉送迎係):左卜全(ひだりぼくぜん)(76)
- 信州の旅館の女中:樹木希林(悠木千帆)(27)
- お澄(湯の山温泉の中居):野村昭子(43)
- 為吉(駒子の夫):晴乃ピーチク(45)
- 茂造(為吉の兄):晴乃パーチク(46)
マドンナ:お志津/新珠三千代(三重県湯の山温泉「もみじ荘」女将)(当時40歳)
宝塚出身。退団後、川島雄三監督の『州崎パラダイス 赤信号』(56年)をはじめ、映画界で活躍。松竹『人間の條件』五部作や、東宝の「社長」シリーズに出演。『フーテンの寅』封切り時にスタートしたドラマ花登筺原作『銭の花・細うで繁盛記』(加代役)(NTV)でも旅館:山水館の女将を好演。
三重県の湯の山温泉で、旅館「もみじ荘」を女手ひとつで切り盛りしている。五歳の娘がいる。悩みは大学生の弟信夫(河原崎健三)のこと。無一文で泊まった寅さんを番頭として雇い入れる、こころ優しき女将。
あらすじ(ネタバレ注意)
木曽節流れる信州のとある旅館
風邪をこじらせ寝込んでいる寅さんは、孤児で家無しの女中(樹木希林)と話しているうちに故郷柴又を思い出す。
寅さんのお見合い話
柴又に帰ってきた寅さんにタコ社長が見合い話しを持ってきた。
翌日。縁談の相手は、なんと寅さんの知り合い、仙台で馴染みの焼き鳥屋にいた駒子(春川ますみ)だった。すっかり、緊張のほぐれた寅さんであったが、その昔、駒子には仙台のラーメン屋で働く男がいたことを思い出す。問い正すと、駒子は亭主と喧嘩したことから、やけになって見合いに出てきたと泣きながらに訴える。
結局、寅さんの機転で駒子と亭主・為吉(晴乃ピーチク)を復縁さることになった。
挙げ句の果てには飲めや唄えやのドンチャン騒ぎ。復縁することには成功したが、その経費全部を家族に払わせようとする寅さんと「とらや」面々は口論となり、殴り合いの喧嘩にまで発展する。
翌日。大いに反省する寅さんは柴又を離れるのであった……
一ヶ月後……
おいちゃん、おばちゃんが、珍しく二人で湯の山温泉に旅行に出かけた。二人の宿泊先は「もみじ荘」という旅館。そこで偶然にも番頭をしている寅さんと出会う。寅さんが旅の途中に立ち寄った「もみじ荘」で、女将・志津(新珠三千代)に一目惚れ、ここ一ヶ月番頭として仕事を手伝っていたのだ。番頭として働いている経緯をキレイ事で語る寅さんとは裏腹に、中居(野村昭子)から聞かされた真相を知ったおいちゃんとおばちゃんは呆れながら柴又へ帰る。
おいちゃん、おばちゃんを見送った寅さんは、暴走してきたバイクに驚いき転倒。近くのラーメン屋に入ると、馴染みの芸者:染奴(香山美子)と暴走バイクの若者:信夫(河原崎建)が口論をしているのを目撃する。すぐさま止めに入るが、気が立っている信夫は寅さんと喧嘩に発展してしまう。寅さんの粋な口上も信夫の出した刃物で威勢がなくなってしまった。
そこへ、止めに入って来たお志津。信夫はお志津の弟だと知らない寅さんは、お志津を助けようとして川へ転落……
実は、信夫と染子は幼馴染みでお互い恋心を抱いていた。それを知った寅さんは、二人を仲を取り持って、染子の父親(花沢徳衛)を説得、僧兵祭りで賑わう夜に二人を駆け落ちさせてしまう。
お志津は大学教授の吉井(高野真二)と結婚を誓っていたお志津は「もみじ荘」をたたんでしまうことを従業員に告げ、出かけてしまう。「もみじ荘」の従業員達は、寅さんへお志津の婚約を知らせる。その日、失恋してしまった寅さんは、書き置きを残し旅館を後にするのであった。
正月元旦大晦日
「とらや」の居間。TVを付けると、そこには九州の霧島神宮で商売する寅さんの姿があった。寅さんは、アナウンサーの問いに、妻と子供が三人いると嘘をつく。「なに、馬鹿なこと言ってんだ」と涙するおいちゃん達。
正月も明けたある日、桜島へ向かう船上に威勢の良い寅さんの姿があった……
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