第6作 1971年(昭和46年)1月15日公開
ふるさとは遠くにありて思うものとか申します。
葛飾は柴又を飛び出してより、もう二昔と半、どおせ気楽な旅烏渡世と粋がってはおりますものの、侘しい独り旅の夜汽車のうたた寝に、ふと夢に見るのはふるさとのこと、お笑いくださいまし、四十に手が届くこの寅次郎は行きずりの旅の女の面影に、故郷に残した妹を思い出しては涙をこぼす、意気地なしでございます……
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(43)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(30)
- 諏訪博:前田吟(27)
- 諏訪満男:中村はやと(2)
- 車竜造:森川信(59)
- 車つね:三崎千恵子(51)
- タコ社長:太宰久雄(48)
- 御前様:笠智衆(67)
- 源公:佐藤蛾次郎(27)
- 絹代:宮本信子(26)
- 千造(絹代の父親):森繁久彌(58)
- 山下医師:松村達雄(57)
- 夕子の夫:垂水悟郎(44)
マドンナ:明石夕子/若尾文子(当時38歳)
1950年代から大映のトップ女優として活躍。溝口健二監督の『祇園囃子』(53年)、増村保造監督の『妻は告白する』(61年)、川島雄三監督の『しとやかな獣』(62年)などに出演、日本映画黄金時代を代表する女優の一人。
あらすじ
赤ちゃんを連れた若い女・絹代(宮本信子)にさくらの面影を見て、一夜の宿を世話する寅さん。情にほだされ、寅さんは絹代と共に、彼女の父・千造(森繁久彌)の住む、長崎は五島列島の福江島へ。
娘とその父親の愛情あるやりとりを聞いていた寅さんは、故郷の柴又が恋しくなり、望郷の念にかられる、しばし葛藤するが柴又に戻ることにした。
寅さんが柴又へ帰ると、おばちゃんの遠縁にあたる、人妻・明石夕子(若尾文子)が、夫と別居して二階に間借りをしていた。そんな夕子に寅さんは一目惚れをしてしまう。
一方、博の独立問題で博と社長・梅太郎がそれぞれ寅さんに相談したからさあ大変、話がこんがらがっててんやわんやの大騒ぎ。結局、博は元のサヤに納まるが、寅さんの夕子への想いは日増しに募るばかり。
ある日、夕子の夫(垂水悟郎)が迎えに来て……
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