お店のお嬢様のおせつと奉公人の徳三郎が恋仲に落ちた。それが明るみに出て、徳三郎は暇を出され、叔父さんの家に預けられた。
しばらく経ち、おせつが婿を取り婚礼が行われることを知った徳三郎は、自分を裏切ったおせつに一太刀浴びせて自害するために刀を買おうとするが、尋常じゃない様子に刀屋の主人が訳を聞きながら説得する。
そこへたまたま訪れた叔父さんの口から、おせつが婚礼の席から逃げ出したことが耳に入った。徳三郎は刀店を飛び出し、思い出の橋の上でおせつに会うことができた。
二人でこの橋から飛び降りて死のうと「南無阿弥陀仏」と唱えて飛び降りたが、深川の川面にびっしりと並んだ材木の上に落ちた。
「あたしたちは死んだんじゃないの」
「飛び込んで水を飲むから死ねるんです、水を飲まなきゃ死ねっこありません」
何を思ったかおせつが水をすくって飲み、
「さあ徳やお前もおあがり」
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