あなたの思い出が少しずつ変わっていく理由
「そんなこと、言ってたっけ?」
「いや、絶対こうだったでしょ」
昔の出来事を誰かと話したとき、
記憶が食い違ってモヤっとした経験はないだろうか。
どちらかが嘘をついている?
勘違いしている?
実はこれ、どちらも違う。
人の記憶は、思い出すたびに少しずつ書き換えられている。
これは比喩でも感覚論でもなく、
心理学・脳科学で確認されている事実だ。
そもそも「記憶」は保存データではない
多くの人は、記憶をこうイメージしている。
脳の中に、出来事がそのまま保存されている
でも実際の記憶は、
動画ファイルではなく、レシピに近い。
- 断片的な情報
- 感情
- 雰囲気
- そのときの解釈
これらを組み合わせて、
思い出すたびに再生産している。
つまり、記憶とは
「保存」ではなく
再構成。
思い出す=記憶を“上書き保存”している
ここが一番重要なポイント。
人は記憶を思い出した瞬間、
その記憶をもう一度脳に保存し直している。
そのときに👇が混ざる。
- 今の感情
- 今の価値観
- 誰かから聞いた話
- その場の空気
結果、
元の記憶+後付け情報が合体した
「新しい記憶」ができあがる。
これを何度も繰り返すことで、
記憶は少しずつ変質していく。
なぜ記憶はズレていくのか?
① 感情が記憶を歪める
楽しかった思い出は、
実際よりも楽しく記憶される。
逆に、
つらかった出来事は
より重く、ドラマチックになる。
記憶は事実より
感情を優先する。
② 他人の話が混ざる
「〇〇ってさ、あの時こうだったよね」
この一言だけで、
自分の記憶が書き換わることがある。
- 実際には見ていない場面
- 自分が言っていないセリフ
それでも、
何度も聞くうちに
自分の記憶として定着する。
③ 今の自分に都合よく変わる
人は無意識に、
「今の自分」を正当化したい。
だから記憶も👇になる。
- 昔からそう思っていた
- あの選択は間違っていなかった
- あの人が悪かった
記憶は
自己肯定感を守るために加工される。
だから「同じ出来事」なのに食い違う
ケンカの記憶
恋愛の終わり
学生時代の黒歴史
どれも👇が起きやすい。
- お互い本気でそう覚えている
- でも内容が合わない
- どちらも悪意はない
これは
記憶が嘘をついているのではなく、更新されているだけ。
このトリビアが地味に怖い理由
この事実が意味するのは、
- 自分の「確信」も信用しすぎてはいけない
- 他人の記憶も、間違っていて当然
- 正しさを競うと、永久に平行線
つまり、
記憶は証拠にならないということ。
じゃあ、記憶は信用できないの?
結論から言うと👇
完璧には信用できない。でも、無意味でもない。
記憶は
事実の記録ではなく、
「自分がどう生きてきたかの物語」。
多少改ざんされていても、
その人が何を大事にしてきたかは残る。
この話を知ると、ちょっと生きやすくなる
このトリビアを知っていると👇
- 過去の失敗を必要以上に引きずらなくなる
- 他人との記憶違いに寛容になれる
- 「あの時こうだったはず」に縛られなくなる
思い出は、
固定された真実じゃない。
更新され続けるデータだと思えばいい。
まとめ:あなたの記憶は、今日も書き換わっている
- 記憶は保存ではなく再構成
- 思い出すたびに上書きされる
- 感情・他人・今の自分が混ざる
- ズレるのは当たり前
だからこそ、
過去に縛られすぎなくていい。
どうせ記憶は、
明日も少し変わる。


コメント