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2016年05月:初投稿
2026年06月16日(火):番組終了情報・人物肩書き・詐欺手口の説明を更新。
業界関係者Aさんに聞いたダイエットの裏事情

「女性が本気でダイエットしたければ、へそ出しタンクトップを買いに行け!」
2016年4月、朝日放送のバラエティ番組「雨上がりの『Aさんの話』〜事情通に聞きました!〜」(2019年3月終了)が取り上げたテーマがこれだ。ダイエット業界の裏側から詐欺サイトの手口まで、複数の専門家が実情を語った。
ダイエットの基本原理はシンプルだ。消費カロリーが摂取カロリーを上回れば体脂肪は減少する。番組が紹介した調査によると、20〜40代女性の82%がダイエット経験を持つ一方、成功率は7%にとどまるという。失敗の最大の要因として挙げられたのが「継続できない」という問題だった。

ダイエット法の流行には歴史がある。1970年代のぶら下がり健康器、1980年代のりんごダイエット・ゆでたまごダイエット、2000年代に入るとデューク更家のウォーキングダイエットやビリーズブートキャンプが話題を集めた。時代ごとに手を変え品を変え、新手法が登場し続けてきた。

出版関係者が語るダイエット本の裏事情
番組に出演したのは、ダイエット・健康・医療記事を専門とする編集プロダクション社長の事情通「Aさん」。同氏の説明によると、大手出版社の売上の約1割をダイエット関連本が占めるという。市場規模は2016年当時で年間約2兆円とされており、部数低迷が続く出版業界にとって数少ない安定収益源だと指摘した。
ダイエット本が次々と刊行される背景についてAさんは、健康法の体系のなかから効果的に見える一側面を取り出して提示することが多く、その手法自体に一定の理論的根拠があることが多いと述べた。ただし、書籍として切り取られた情報だけでは全体像がつかめないケースも多いと示唆した。

ダイエット広告で多用される訴求フレーズ
Aさんが指摘したダイエット広告に頻出するキャッチコピーのパターンが3つある。「すぐ痩せる」「これだけでいい」「我慢しなくていい」——これらは消費者の購買意欲を直撃する表現として広告業界で確立されてきた。
番組では、「寝ている間に勝手にダイエット」「寝る前に飲むだけで努力なし」と謳った商品が消費者庁の改善命令を受けたにもかかわらず、約2年間で約50億円を売り上げた事例が紹介された。こうした手法は現在も形を変えて続いており、消費者庁は2023〜2024年にかけて、根拠のない痩身効果を謳うダイエットサプリに対して景品表示法違反を理由とした措置命令・課徴金納付命令を相次いで下している。


ダイエット広告に潜む欺瞞の手口
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明氏は、ダイエット広告に多用されるビフォーアフター写真の多くが実態を反映していないと指摘する。大きめのズボンを履いてビフォー写真を撮る、ビフォーとアフターの写真を逆に使うといった手口は今も横行しており、写真だけでは効果の真偽を判断できない。


また、芸能人の画像を無断使用し、実在しない週刊誌の記事を捏造してダイエット商品を宣伝する偽サイトの問題も2016年当時に取り上げられた。偽サイトは本物のメディアサイトを精巧に模倣した上で、最終的に海外のサプリメント購入ページへ誘導する構造を持つ。こうした手口は現在でも継続して確認されており、画像検索や公式URLの照合による確認が有効だとされている。

広告表現に仕掛けられた罠


番組では、合法の範囲内に収まりながら消費者を誘導する広告表現も具体的に解説された。
「初回のみ2,980円」という表記は、2回目以降の価格を明示しない点に問題がある。定期購入では2回目から1万円超になるケースも珍しくなく、解約手続きが複雑なことが多い。この問題は現在も「定期購入トラブル」として消費生活センターへの相談件数の上位を占め続けている。
「鉄分がプルーンの15倍」という表記は事実であっても、鉄分の摂取が体重減少に直結するわけではない。栄養素の一側面を強調することで痩身効果があるかのように見せる手法だ。「返金保証」については、保証の条件が商品説明書の中に記載されているため、購入前に内容を確認できない構造になっているケースがある。

買い物をしてはいけない詐欺サイトの見分け方
番組では、ITセキュリティの専門家・タナカ・ザック氏(当時、兵庫県警サイバー犯罪対策のハッカー講師)が詐欺サイトの構造と見分け方を解説した。なお、「ハッカー」とはコンピュータ技術に精通した人物を指す中立的な語であり、その技術で不正行為を働く者はクラッカーと区別される。
詐欺サイトの主目的は、個人情報——とりわけIDとパスワードの詐取だ。取得した認証情報は闇市場で転売される。番組では個人情報の不正売買市場が約1兆円規模(2016年当時)に達するとされた。

URLのサブドメイン偽装に注意する
番組で示された事例では、ZOZOTOWNを模した偽サイトのURLが「zozo.jp-sale99.sp/」となっていた。正規サービスのドメイン名(zozo.jp)がハイフン以降に続く文字列の一部として埋め込まれており、ひと目では本物と区別しづらい。ZOZOTOWNの公式URLは「zozo.jp/」で、これが変わることはない。
現在のフィッシングサイト判別で有効な確認ポイントは、URLのドメイン部分が公式と完全に一致するかを確認すること、類似した文字(「I(アイ)」と「l(エル)」、「O(オー)」と「0(ゼロ)」など)が使われていないかを確かめること、そして不安があれば日本サイバー犯罪対策センター提供の「SAGICHECK」やGoogleのSafe BrowsingツールでURLを事前に照合することだ。

価格表記の「99そろえ」に注意する

海外の犯罪グループが運営するとされたバッグ販売サイトの事例では、「トートに変形」の「変」の字が中国語の簡体字になっていたことが識別の手がかりとなった。また、価格の下2桁が「99」に揃えられていた点も指摘された。「7,999円」という設定は日本の商慣習にはなじみが薄く、「7,980円」のような価格帯を使うのが一般的だとタナカ氏は説明した。「99そろえ」が目立って多い場合、日本市場の感覚を持たない海外事業者が運営している可能性の一つの指標となる。


結婚式前のダイエットに学ぶ「動機づけ」の仕組み
番組後半では、ウェディングドレスデザイナーで株式会社Ar&co.代表取締役の西村有紀子氏がダイエット成功の要因として「動機の強さ」を挙げた。結婚式前の新婦を対象とした西村氏の経験では、平均3〜4kg、多いケースで10kgの体重減少が見られるという。新婦の半数は結婚式という明確な期限があるだけで自然に痩せるが、残りの半数には追加の働きかけが必要だと述べた。
西村氏が用いる方法の一つは、新郎にドレス姿の新婦を各部位ごとに撮影させ、その写真を本人に見せることで現状を客観的に認識させることだ。自撮りでは無意識に「弱点を隠す」角度を選ぶため、他者に撮影させることで現実の体型が浮き彫りになると説明した。
さらに体重が減らない新婦に実践してきたのが、ダイエット中の体型を露出した写真をInstagramなどのSNSに投稿させる手法だ。不特定多数の目に触れることで「途中でやめられない」という心理的拘束力が生まれ、同じ目標を持つフォロワーからの応援が継続の後押しになると西村氏は語った。西村氏自身も出産後にこの手法を実践し、半年で14kgの減量に成功。SNSへの継続的な投稿でその体重を維持し続けているという。

「女性が本気でダイエットしたければ、へそ出しタンクトップを買いに行け」という言葉が指すのは、弱点をあえてさらけ出すことで退路を断つという動機づけの仕組みだ。ダイエット成功の鍵は方法論よりも、継続を強制する状況をいかに作るかにある、というのが番組を通じた結論だった。
[出典:2016年4月4日放送「雨上がりの『Aさんの話』〜事情通に聞きました!〜」(朝日放送テレビ、2019年3月終了)]
文責:ライターズラボ編集部(2026年06月16日(火)09:19執筆)


コメント
リピーター続出の○○?
ヲイヲイ手を切れないってことはやせないってこと。