5人のジュンコ 第2話 あらすじ&ネタバレ
「佐竹は、あの頃から悪魔でした」
佐竹純子が拘置所に移送される様子を報道するマスコミ。
そのテレビを見ている篠田淳子の母。
そのテレビをリモコンで消し、「行ってきます」と母に告げる篠田。
コールセンターで働く篠田に、電話が。
外に出てきた篠田に声をかける田辺絢子。
「あなたですか、この間うちの母に……」
会社のビルから離れた場所に移動し、母は糖尿病なのでケーキを食べたら普段の努力が台無しになると言う篠田に、謝る田辺。
場所を喫茶店に移した2人。
佐竹と自分が親友と言われ、冗談じゃないと否定する篠田。
「私はあの人が大嫌いでした」
拘置所の雑居房に連れてこられた佐竹、前からいた3人の女たちに、「よろしく」と微笑む佐竹。
佐竹の話をする篠田、佐竹は、取り柄があるわけでもないのにいつも根拠のない自信に溢れてる。
自分を特別な女と思っている。
自分以外の全ての人を見下している。
だからあんな事件を起こした。
中学時代を回想。(1996年)
3年のクラス名簿が貼りだされ、篠田はB組、親友の飯田野梨子はE組に。
野梨子は、佐竹が篠田と同じ組になったことを心配する。
「気をつけて、私1年生の時同じクラスだったんだけど……」
そこへ佐竹が寄ってきて、「淳子、同じ名前だね」
出席番号が近く、同じ名前と言うだけでまるでコンビみたいに……
それなのに、周りは私たちのこと、親友みたいに思ってて……
みんなが嫌いな佐竹が、いつも篠田のとなりにいたので、みんな篠田から遠ざかっていった。
篠田の席の前に佐竹の席が。
佐竹は、篠田の98点の答案用紙を「見せて」と言って取ったまま、結局篠田は返してもらえなかった。
それどころか、37点の自分の答案に篠田の名前を書き、篠田のカバンに入れそれを見た篠田の母は「何だこの点は」と激怒した。
翌日、「何怒ってんの」と平気で声をかけてくる佐竹。
宝塚のチケットが取れると言われ、喜んで佐竹にチケット代を渡しても、結局チケットをもらえず、お金も返してもらえなかった。
海辺の小屋で飯田野梨子と篠田が一緒にいる所へ佐竹がやってきて、野梨子を殴った。
篠田は朝、ベッドで血を吐いた。
ストレス性胃潰瘍だった。
しばらく入院してから退院後、学校には行けなくなった。
佐竹は毎日のように、届け物を持って篠田の家を訪ねた。
結局、篠田は不登校のまま卒業、佐竹から逃げるために東京へ引っ越した。
篠田は、田辺から飯田野梨子の死を聞かされるまでは知らなかった。
どうしてと聞く篠田に、田辺は、飯田野梨子が篠田をいじめた犯人だと噂を立てられ卒業前に転校、その1年後、引越し先の大阪で……
篠田は泣きながら、飯田野梨子をいじめの犯人に仕立て上げたのは佐竹だと。
周りは、関わりたくないと知らないふりをしていた。
「佐竹は、あの頃から悪魔でした」
篠田と田辺の話を、離れたテーブルで、篠田の同僚の女は微笑みながら聞いていた。
いじめの真相
事務所には久保田芽依と鵜飼優子がいた。
久保田に田辺が電話してきた。
鵜飼は「真実を知る瞳」の本を持って久保田に、この本の冤罪被害者の娘は、敵だと思っている相手や世間に、どうやって折り合いをつけたのかと尋ねた。
久保田は、少なくても犯罪者と決めつけた警察やマスコミを今でも恨んでいる、だからこそ、彼女(田辺)は、彼女にしかできないことを探してる……
田辺は、熱海でスナックを経営する美津絵を訪ねた。
美津絵も宝塚のファンで、佐竹と篠田の会話に聞き耳を立てていた。2人は、宝塚らしい名前をつけていた。
高千穂くらら、榛名諄、初風真理。
飯田野梨子が巻き込まれたいじめの事件について美津絵に聞く田辺。
篠田が登校拒否になった後、先生の呼びかけでお見舞いの手紙を書いた。
飯田野梨子も1年の時に同じクラスなので手紙を書いた。
その手紙の中で、篠田が死んじゃったみたいな内容の手紙があったと、篠田の母が学校に怒鳴り込んできた。
娘が自殺しようとしたのはいじめが原因だと、教育委員会や地元の新聞にも投稿、週刊誌の取材も受けたが、誰もいじめの存在は知らなかった。
野梨子のいじめはなかったと言う美津絵。
佐竹はどうしていたかと聞いても、美津絵はわからなかった。
佐竹の雑居房に食事が届けられたが、佐竹はいらないと断った。
事務所で、事件の人物相関図を見ながら、佐竹が飯田野梨子をいじめの犯人に仕立て上げたと考える久保田と田辺。
ほかのマスコミに嗅ぎつけられる前に早く取材してと指示する久保田。
自宅でパソコンに向かい、佐竹に手紙を書く田辺。
篠田が会社の休憩室にいると、喫茶店で田辺との会話を聞いていた同僚が、篠田と佐竹が親友だったことをほかの同僚たちに話し始めた。
その場にいたたまれず外に出た篠田は、田辺に、2度と会社に来ないでと電話をした。
田辺は謝り、事務所で話を聞くことに。
事務所に来た篠田に、中3の時にお見舞いの手紙をもらった時の話を聞く田辺。
『篠田淳子さん、どうしてあなたは死んでしまったんですか……
みんな涙を流して、あなたのことを忘れないと言っています。でも私は知っています。
10年後、20年後、あなたの事を覚えている人はいないでしょう……
最後に一言、ありがとう、死んでくれて。
私はあなたが大嫌いでした。みんなもあなたが大嫌いでした。だから死んでくれて嬉しいです。どうか地獄へ……さようなら』
その手紙を読んで暴れる淳子を、母は見ていたのだった。
こんな底意地の悪い、悪意の塊のような文章を佐竹は中学時代に書いたんですよ、信じられますか?
それは佐竹が書いたのかと聞く田辺に、あの人以外、考えられない、それなのに、いつの間にか野梨ちゃんを犯人に仕立て上げて……
佐竹は、篠田の母に上手く言いより、飯田野梨子がいじめの犯人だったかのようなことを信じ込ませたのだ。
「佐竹純子に出会ってしまったら、目をつけられたらおしまいなんです」
その頃、佐竹は田辺の手紙を読んでいた。
微笑む佐竹。
ネットでの事件
事務所で田辺は、久保田からの連絡を受け、久保田の家に向かう。
元気のない久保田。
テーブルの上にはミルクなどが散乱。
「やっと寝てくれた」
久保田は育児ノイローゼだった。
久保田は田辺に娘を預かってもらうことにした。
久保田はシッターに預けられ、親のいない所で暴行を受けていたので、他人には預け
られない。
私に預けて平気なのかと聞く田辺に、
「当たり前でしょ、あなたは特別な人だもの」
田辺は久保田の娘を自宅に連れ帰った。
赤ん坊が寝ていることに驚く夫の貴也。
貴也は、田辺のパソコンを見て、「榛名諄?」と驚く。
佐竹が作っていた宝塚の名前だと説明すると、「佐竹純子?」
貴也は、ネットの出会い系サイトで榛名諄に騙された人たちを取材しようとして、自分も騙されたと告白した。
事務所で久保田に説明する田辺。
ネットでお金をだまし取られた被害者は30人、被害総額1000~1500万円。
被害者の誰一人、榛名諄が佐竹純子とは気づいていない。誰も会った事がない。
榛名諄は病弱で貧乏なバイオリニスト、才能はあるのにお金がない、夢をあきらめなければならない……
資金援助のため、時には、高千穂くらら、初風真理と名前を変えて。
現時点で、警察も知らない。
メールだけでお金をだまし取る、「テクニック、いや、たぐい希なる才能」
掲示板に書き込みをする中に、一人だけ榛名諄を庇っていた人物が。
被害者なのに、なぜ庇うのか?
その後の書き込みがないことから、事件に巻き込まれているのではと言う田辺。
八王子在住、守川正志(ただし)、50歳、独身。
守川家。
寝たきりの父の布団の横に、レンジで温めた弁当を置く守川美香。
「正志か?」と聞く父に、兄ちゃんはいなくなったと言う美香。
美香の回想……
出かけようとする兄に、どこに行くのかと訪ねると、
「彼女に会いに」
「彼女?」
「そう、恋人」
「どこで会うの?」
「遊園地」
「えっ?」
「行ってきまーす」
久保田の事務所。
「守川正志、生きてるのかなあ?」
「彼は佐竹純子に殺された6番目の被害者かもしれません」
佐竹は弁護士と面会し、田辺の手紙を見て興味を持ったので、調べてと依頼。
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