史上最も腐敗した警察官 仰天・衝撃のラスト!
倫理についての講演
2016年3月、アメリカ・ニュージャージー州の大学で、1人のコンサルタントが「倫理についての講演」を行いました。
聴衆は、警察官や裁判官を志望する学生たち。
そして、彼が語りはじめたのは、全米を震撼させたニューヨーク市警察の暗黒の歴史でした。
「彼は、理想に燃える新人警察官でした」(講師)
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1987年、ニューヨーク。
ある一軒家に侵入者があり、部屋が荒らされていました。
警官2人が駆けつけ、通報した少女に話しかけます。
警官A)「犯人に出くわさなくて良かった、盗まれたものはわかるかい?」
少女)「ママに聞いてみないと」
母親に電話をかける少女。
少女)「えっ、寝室のベッドサイドにお金を隠してるの?どこ?」
警官Aは寝室に入り、机の引き出しの奥から、ゴムで縛られた札束を見つけました。
警官B)「お宝を見つけられなかったってわけだ」
警官A)「ああ、ラッキーだったな、ほんとに」
そう言って、ズボンのポケットに札束を仕舞い込む警官A。
少女)「お巡りさん、ママが引き出しの裏に600ドル(当時約7万円)隠してたって」
警官A)「残念だけど、盗まれちゃったようだよ」
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「言うまでもなく、そのお金は返すべきでした。しかし、その若い警官は、坂道を転げ落ちるように堕落していき、やがてこう呼ばれます。史上最も腐敗した警察官と・・・」(講師)
全米で話題沸騰中の講義から紐解かれる衝撃の真実、理想に燃えた新人警官の驚くべき末路とは!?
真実が明るみに出たとき、あなたは衝撃のラストを目の当たりにします!
警官としての誇りと正義感に燃えていたマイケル
「これは、1980年代にニューヨーク市警に入ったマイケルという警官の話です。彼は治安の悪いブルックリン地区に配属されました。 当時は麻薬が蔓延していました。それでも彼は、市民を守らなければという正義感に燃え、現場に臨んだのです」(講師)
1980年代当時、ニューヨーク市では、年間3500件の殺人事件が発生。
特に、マイケルが配属された地区は、1日に200件もの通報が寄せられる過酷な現場でした。
「ドラッグ関係者などと敵対する日々。『無事に家に帰ることができれば何より』そんな心境だったと言います」 (講師)
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マイケルは24歳で結婚、息子も授かり、傍目からは幸福に包まれているように見えました。
しかし実際は、家のローンを抱え、ポケットにはいつも3ドルのみ。
満足な昼食を食べるお金も持っていませんでした。
そんな彼を支えていたのは、「警官である誇りと正義感」でした。
善から悪へ、白から灰色、そして真っ黒に
しかし、運命の歯車は狂いだします。
ナンバープレートのない車の取り締まりをしていた時、運転手から賄賂を渡され、そのまま車は行ってしまいました。
「それが始まりでした。 彼は善から悪へ、境界線を越えていくのです。白から灰色、そして真っ黒に。『これは自分へのご褒美だ。このくらい良いだろう』そう考えてしまったのです」(講師)
そして、決定的な出来事が起きました。
その日マイケルは、麻薬取引のアジトで起こった発砲事件の現場に真っ先に到着しました。
そして、現場にあったお金を、自分のポケットに入れてしまったのです。
その後、上司が現場に到着して、「コカインと現金が500ドル、あったものはこれだけか?」「これで全部か?」と確認しました。
そう言われたマイケルは、ポケットに入れたお金を出し、自分が保管していたと嘘をつきました。
その日の深夜、マイケルが現場でのことを正直に話そうしたときでした。
マイケル)「部長、今日の現場での事なんですが」
上司)「何の事だ?俺が着く前に お前が現場で何をしていたかなんて俺にはわからない。うまくやれ、そして山分けだ。」
警官たちみんな、腐敗し切っていたのです。
「マイケルは承認を得たと思いました。上司が見ていなければ良いのだと。 これ以来彼は、犯行現場にある物は正当な方法で得られた物ではない、奪ったところで正しい人間は誰も傷つかないと、自分の行為を正当化するようになりました」(講師)
止まらないマイケルの暴走
さらにマイケルは、強奪した麻薬の横流しを始めたのです。
日本円にして数百万円の大金が、簡単に手に入りました。
「ちょうどその頃、汚職警官13名が逮捕されるという出来事が起こりました。当時の警察の考えはこうです、『これ以上逮捕者を出したくない』」(講師)
事実、ニューヨーク市警は、マイケルの汚職に関する報告を受けてはいましたが、「誰も現場を見ていない」「聞いたことも無い」と彼を擁護したのです。
そのため、マイケルが逮捕されることはありませんでした。
しかし、マイケルの暴走は止まりませんでした。
部下ケニーを相棒とし、NY最大の麻薬組織のボスと、週8000ドル(当時約100万円)で手を組んだのです。
理想に燃える新人警官の面影は、もうどこにもありませんでした。
自ら麻薬の密売までし始めるマイケル
麻薬王アダム・ディアスは、当時弱冠20歳。
表向きは、小さなスーパーマーケットの経営者でしたが、裏では麻薬を扱い、年間何億ドル(数百億円)も稼いでいる影のドンだったのです。
警察がアダムのスーパーに取り締まりに入った時のこと、昨日まであったはずの麻薬は、すべて消えていました。
マイケルが捜査の情報を流していたのです。
アダムはマイケルから捜査情報を受けとり、マイケルはアダムから大金を得ていました。
さらにマイケルは、相棒ケニーと共に、アダムと敵対する組織の取引現場に踏み込み、組織の壊滅に協力していきました。
ところが、それだけではありませんでした。
より多く稼ぐために、アダムから麻薬を仕入れ、自ら麻薬ディーラーとなって密売を始めたのです。
そしてこの頃には、マイケル自身も麻薬の常習者になっていました!
ついに逮捕!
麻薬の常習者になっていたマイケルに、驚愕のエンディングが静かに近づいていました。
学生)「奥さんは、彼のやっていたことを知っていたのでしょうか?」
講師)「罪の深さまでは知らなかったと思われます。しかし、年収450万円の警官が、家を4軒持ち、ビーチ沿いにコンドミニアムを買うことなど出来るはずありません。違法な金を稼いでいたことには気づいていたのでしょう」(講師)
最新の高級車に別荘、手に入らないものは何もありませんでした。
しかし、マイケルと相棒ケニーは、ついに逮捕されました!
「彼が麻薬を売った客が逮捕されたのをきっかけに、全てが白日の下にさらされたのです」(講師)
2人は罪を認めたため、裁判が始まるまでは保釈されました。
しかし、このままでは終わらなかったのです。
ボスの妻を誘拐し、大金を得て海外に高飛び
マイケルは、ある麻薬組織から計画を持ちかけられていました。
それは、敵対する麻薬組織を襲い、ボスの妻を誘拐し引き渡すというもの。
その際、「ボスの妻の生死は問わない」という条件でした。
「報酬は70万ドル(当時約9000万円)の現金と10キロのコカイン。それだけあれば、海外に高飛びできる」マイケルはそう考えました。
ついにマイケルは、人の命を金に替えるところまで、悪に落ちてしまいました。
そこには、正義感溢れる警官の面影は一切無かったのです。
懲役14年の実刑判決
そして、1992年7月30日、誘拐実行当日。
マイケルが外に出ると、家の前にFBIが待ち受けていて、マイケルは逮捕されました。
実は、相棒のケニーが計画に恐れをなして密告、その後、盗聴器を身につけ、マイケルと会っていたのです。
マイケル・ダウドは、麻薬流通の共謀罪、誘拐未遂などで、懲役14年の判決を受けました。
一方、相棒のケニー・ユーウェルは、司法取引(マイケル逮捕に協力)で免罪されました。
その後当時のNY市長は、市警察の汚職を捜査するために、調査委員会を発足し、マイケル・ダウドも委員会に招集されました。
彼は、自らの行いについては証言しましたが、同僚たちの汚職については完全黙秘を貫きました。
衝撃のラスト!
話を続ける講師。
「彼は、逮捕当日が最も安堵した日だったと振り返っています。パトカーの後部座席で手錠をかけられて、内心ではホッとしている自分に気づいたと言います」
「懲役14年の実刑判決を受け、彼は自分の人生を変えなければいけないと気付きます。そして、この史上最も腐敗した警察官マイケル・ダウドこそ、私なのです!」
驚く学生たち。
「私は、他人の為に役立つ人生を歩むため、自分の経験を大勢の前で話す事に決めたのです。私の話を聞いていただき、ありがとう。」
講演を行っているこの人物こそ、史上最も腐敗した警官、マイケル・ダウド本人だったのです!
マイケルさんは出所後間もなく、警察に請われ、悪に堕ちた警察官の見本として自らの体験を講義し始めました。
今では、倫理コンサルタントとして、警察や大学、企業などに迎えられ、講演を重ねています。
マイケル・ダウドさん・・・
「当時、私には6歳の息子がいました。彼は、父親が手錠をかけられた姿を目の当たりにしたのです。そのすぐ後、所属していた野球チームを退団させられます。他の子に悪影響があるという理由で・・・。成長し、面会に来た息子に、私はこう言われました。早く一緒に暮らしたい、マイケル・ダウドとして生きる姿を見たいと。その言葉で私は生まれ変われたのです。とにかくダメージは大きかった。これは倫理観の教訓です。もし信用ある立場の人が善悪の一線を越えそうになっていたら、『あなただけじゃなく周囲の人も傷つきますよ』と忠告し、止めてください。信頼の失墜は、多くのものの喪失につながるのですから。よろしいですか、ありがとうございました」
この人の姿を見ていたら、 本当に改心して生まれ変わったんだと思いました。
薬物中毒から抜け出すのは大変だったと思いますが、こうして体験を話し続けることで、今も誘惑と闘っているんだと思います。
清原和博被告も、こういう風な役割を与えられたら立ち直れるかなと、期待したりします。(S.A.)
[出典:2016年4月21日放送「奇跡体験!アンビリバボー」]
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