★三遊亭圓生(六代目)佐々木政談(池田大助)

三遊亭圓生(六代目)

あらすじ

嘉永年間に南の町奉行へ、佐々木信濃守と言う方が職につきましたが、調べのお上手な誠に活発な方で、賄賂、これはどうも甚だ良ろしくない風習であるから、こういう事は、絶対に止めさ せたいがどうも、正面を切って賄賂(まいない)を取るなとも言えないから何か、意見をする様な事は無いかと、御非番の時には色々、姿を変えて町を見回ると言う。

今日も、田舎侍と言う出で立ちで小紋の短い羽織を召しまして、三蔵と言う伴を一人連れて役宅、只今あの朝日新聞の本社がございます、えー数奇屋橋御門口と申します、あれから銀座 に出て来たんで、別に銀ブラをしようなんてぇ訳じゃ無いんでしょうが、あちらこちらと町の様子を見ながら歩いていると、子供が大勢ぞろぞろぞろぞろ、手習いの帰りと見えて、二人 の子供が両手をこう結わいられて。

縄を持った子供が手先と見えましてね。先へ棒を持った者が立って、「ほうほう寄れ寄れ。これこれ、邪魔だ邪魔だ寄れ寄れ」と、奉行ごっこが始まった。
四郎ちゃんが奉行でござを轢いてお調べに入った。立ち見している佐々木信濃守と同じ名前で始まったが、邪魔だとその本人を追い立ててしまう。お調べは頓知頓才で一件落着。子供達は明日も四郎ちゃんが奉行でまたやろね~と解散。見ていた佐々木信濃守は親、町役同道で南町奉行に出頭しろと三蔵に言いつけた。
この話を聞いた親の桶屋高田屋綱五郎はびっくり、家主太兵衛をはじめ、町内もひっくり返る様な騒ぎになった。

青い顔の親父を筆頭に全員白州の上に控えていると、佐々木信濃守が着座。みんなビクビクの中、お調べが始まった。
四郎吉の遊びの中の裁きが良かったと褒めるが、そんなのは上から下を見ながらだから簡単だという。
「これから奉行の言う事に答えられるか」
「上下に座っていたのでは位負けするので、そこに並んで座れば答えられる」、許しが出たので並んで座る。

「夜になると星が出るが……」
「昼にも出ているが、見えないだけだ」と、まずは一本取られる。
「その星の数が判るか?」
「このお白州の砂の数が判りますか?」、「何故」
「手に取れるものの数が判らないのに、手が届かない空の星の数など判らない」
また一本。
「しからば、天に昇って星の数を数えている間に、白州の砂の数を数えておくが、如何か」
「そんなの訳無しのコンコンチキ」
「訳無しのコンコンチキ?」
「初めて行くので、宿屋切手と案内人を付けてください」
またまた技あり。

褒美にと三方の上に饅頭を山積みして、食べても良いと差し出す。
「何かを買ってくれる母親と、小言をくれる父親とどちらが好きか?」
「こーやって、二つに割った饅頭、どちらが美味いと思いますか?」
「う~ん」
「これが頓知頓才」。
「四角くても三方とは?」
「一人でも与力と言うがごとし」。
「では、与力の身分は」
懐から起きあがり小法師を出して
「これです」
「これとは?」
「身分は軽いが、御上のご威勢を笠に着てピンしゃんピンしゃんと立ちます。その上、腰の弱い者です」。
与力は下を向いてイヤな顔をしている。
「それでは与力の心はどうか」
「天保銭を貸してください」その銭を、起きあがり小法師にくくりつけて放り出した。
「銭のある方に転がっている」。
ひどいすっぱ抜きで、与力が驚いたり、怒ったり。
「座興で、嘘だ」と、座を納める。

綱五郎そちは幸せ者である。これだけの能力を桶屋で果てさせるのは惜しい。
15才までそちに預けるが後は私が召し抱えて近従にさせると言う。
出世の道が開けたという、佐々木政談でした。

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