最終話 あらすじ
あの事件から三年。竜二(岡田准一)は日々の精進を認められ近く七代目どん兵衛を襲名することになっていた。だが竜二には心配事が。ひとつは襲名披露の演目が過去に失敗した『子別れ』であること。そしてもうひとつはメグミ(伊東美咲)のこと。そんな竜二を励ます意味も込めてどん太(安部サダヲ)に連れられコスプレパブに行くのだが、偶然そこで働いていた虎児(長瀬智也)と再会することに。虎児は刑期を終え出所していたのだが信頼を裏切る形になってしまった谷中家には顔を出しづらく、新宿流星会に出向くも立派に二代目を次いでいた銀次郎(塚本高史)に「らしくない」と追い返されてしまい行き着いた先がそこだった。
虎児の責任をとる形で芸能協会を脱退したどん兵衛(西田敏行)は、昇格する竜二のためにも虎児を迎えに行くわけには行かなかった。だが口ではなんと言っていてもどん兵衛は虎児を待ち続けており、その証拠に今の名は二代目林屋亭子虎。同じように虎児の恩人でもあり、どん兵衛の友人、流星会の元組長も、どん兵衛に預けたものとして迎えに行けなかったのだ。業を煮やした竜二は、意地を張り続ける虎児とどん兵衛をめぐり合わせ、もう一度弟子入りすることになった虎児だった。
襲名披露の日。高座には虎児が。かつてどん兵衛に与えられた林屋亭子虎として落語会に復帰を果たしたのだった…
子は鎹 あらすじ
子別れ(こわかれ)は古典落語の演目の一つ。柳派の初代春風亭柳枝の創作落語で、3代目麗々亭柳橋や4代目柳家小さんの手を経て磨かれた人情噺の大ネタである。別題は「子は鎹」「強飯の女郎買い」「子宝」「逢戻り」等多数。主な演者には、5代目古今亭志ん生や6代目三遊亭圓生、5代目柳家小さんなどがいる。上方では2代目桂ざこばが演じている。
上・中・下の三部構成であり、通常は中の後半部分と下を合わせて演じることが多い。
上は「強飯の女郎買い」、下は「子は鎹」の名で呼ばれることがある。
腕はいいが怠け癖のある大工の男。かいがいしい妻に恵まれ一子をもうけたが元来の怠け癖のせいで女房はとうとう子供を連れて出て行ってしまった。二度目の妻は遊女で働かないうえに貧乏暮らしは嫌だと出て行ってしまった。そんな男がある日前妻との子供、亀と再会する。「大きくなったなぁ亀公」と子供の成長を喜ぶ男。男の甲斐性のなさが原因で別れた夫婦だが互いに憎かったわけではない。男は今や心を入れ替えた評判の大工。久しぶりに会った子供に小遣いを与え、うなぎが食いたいといえば明日連れてってやるからと約束しその日は別れた。その日の夜、亀が大金を持って帰ってきたのは盗みを働いたのではと、はやとちりした母親は、元は亭主が使っていたカナヅチを持ち出し「これであんたの頭を打つってことはお父さんがあんたを怒るってことだからね」と亀に迫りかかる。観念した亀は改心した父に会ったことを洗いざらい白状してしまう。それを聞いた母親は喜ぶのだが、おいそれと会いにいくわけにはいかない。次の日、亀ににきれいな服を着せて送り出すのだが、自分もいてもたってもいられなくなり、うなぎ屋の前をいったりきたりと落ち着かない。その内に元亭主と亀が出てきてしまい再会する。亀の取り持ちもあってなんだかんだの末、二人はよりを戻すことになった。「まったく子は鎹だな」という二人の言葉に、亀は
「ぼくが鎹だって?どうりで昨日、頭を打つといわれたわけだ」
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