第14作 1974年(昭和49年)12月28日公開
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(46)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(33)
- 諏訪博:前田吟(30)
- 諏訪満男:中村はやと(5)
- 車竜造:下條正巳(59)
- 車つね:三崎千恵子(54)
- タコ社長:太宰久雄(51)
- 御前様:笠智衆(70)
- 源公:佐藤蛾次郎(30)
- 踊子:春川ますみ(39)
呼子のストリップ小屋「呼子ショー」の踊り子。とある日の午後、寅さんと話をする。「姐さんの芸を見に来たと思えば、腹も立たねえだろう」とは、芸人への寅さんの優しいまなざし。赤ん坊の父親のだらしなさに本気で怒って、一肌脱ぐキップの良さもある。 - 佐藤幸夫:月亭八方(26)
九州呼子で、寅さんが出会った、元ストリッパーの女房に赤ん坊を押し付けられてしまった男。寅さんが同情し、優しいところを見せると、今度は寅さんに赤ん坊を押し付けて逃げ出してしまう。 - 大川弥太郎:上條恒彦(34)
勤労者たちのコーラス・サークルの団長。おもちゃ工場に勤めている。無類のお人好しで、京子に惚れている。寅さんにけしかけられて、愛の告白をするが……
だれかが風の中で(木枯し紋次郎主題歌1972年(昭和47年)
マドンナ:木谷京子/十朱幸代(当時32歳)
博が怪我して担ぎ込まれた病院の看護士。寅が赤ん坊を連れて戻ってきたときには、とらやの面々が彼女に会わせまいと必死になる。楽しみは休日、近所の労働者たちとのコーラス活動。山形県米沢市出身。
父は俳優の*十朱久雄。1958年、NHK「バス通り裏」に出演、映画は松竹の『惜春鳥』(59年)がデビュー作。日活アクションや青春映画でフレッシュな演技を見せ、野村芳太郎監督の『震える舌』(80年)でブルーリボン賞・主演女優賞に輝く。
※十朱久雄参考画像
あらすじ
博が仕事中に怪我をして病院行き、と聴かされたさくらは慌てるが、幸いにも軽症で済んだ。ちょうど旅から帰ってきた寅さんはその話を聴き、いかに自分が将来のことを考えているかを語り始めるが、結局冗談が過ぎて喧嘩になり通帳を置いて出て行った。
その後寅さんは九州は佐賀県唐津で商売を始めるが、呼子の木賃宿で赤ん坊を残したまま女房に逃げられた男(月亭八方)と出会う。
男と赤ん坊を心配した寅さんは彼を慰めて一席設けてやるが、翌朝男はいなくなり、「子供を頼みます」という置き手紙を添えて赤ん坊だけが残されていた。
ほったらかしにも出来ず、寅さんはやむなく赤ん坊と共に柴又に舞い戻ってくるが、とらやの面々は「寅の子供が出来た!」と大慌て。寅から事情を聴いてようやく誤解が解けるものの、今度はこの子をどうするかで難儀する。
そんなある日赤ん坊が高熱を出してしまい、博が世話になった病院に連れて行くことになるが、博には気がかりなことが一つあった。
そこで働く看護婦の京子(十朱幸代)に寅さんが惚れやしないか、ということだった。さくらと博は何とか京子との接点を無くそうとするが、元気になった赤ん坊を見ようと京子がとらやを訪れ寅さんは上機嫌。
数日後、男が赤ん坊を引き取りに来て一件落着。
そして寅さんは京子に熱を上げていくが、京子のコーラス仲間リーダー・弥太郎(上條恒彦)が京子に憧れているのを知り、弥太郎に愛の告白をけしかける……
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