男はつらいよ 第23作 翔んでる寅次郎 あらすじ・キャスト・登場人物相関図

男はつらいよ

第23作 1979年(昭和54年)8月4日公開


キャスト・登場人物

  • 車寅次郎:渥美清(51)
  • 諏訪さくら:倍賞千恵子(38)
  • 諏訪博:前田吟(35)
  • 諏訪満男:中村はやと(10)
  • 車竜造:下條正巳(64)
  • 車つね:三崎千恵子(59)
  • タコ社長:太宰久雄(56)
  • 御前様:笠智衆(75)
  • 源公:佐藤蛾次郎(35)

  • 結婚式の仲人:松村達雄(65)
  • 結婚式場の男:桜井センリ(53)
  • タクシーの運転手:犬塚弘(50)
  • 旅館の若旦那:湯原昌幸(32)
    北海道支笏湖畔にある丸駒温泉旅館の若旦那。女一人旅のひとみに、襲いかかろうとしたところ、寅さんに見つかり……
  • 小柳邦夫:布施明(32)
    インテリア会社・社長の御曹司。入江ひとみの婚約者だったが、結婚披露宴の途中、ひとみが失踪。彼女を悪く言う父親に反発して、仕事も辞めて家出。帝釈天近くの自動車工場で働くことに。そんな邦男に、ひとみは惹かれてゆく。
  • ひとみの母:木暮実千代(61)
    田園調布のマダム、ひとみの母。ウエディングドレスのまま失踪した娘の本当の気持ちが分からない。とらやに世話になっているひとみに対し、寅さんとの関係を疑う。

マドンナ:入江ひとみ/桃井かおり(当時28歳)

マリッジブルーになり、北海道で一人旅をしていたところ、寅さんと知り合う。田園調布のお嬢さん育ちの彼女を、寅さんは「貧しい田園地帯の娘」と勘違い。婚約者・邦男(布施明)との結婚披露宴の途中、ウエディングドレスのまま、式場のホテルを抜け出し、とらやへ……


中学生でイギリスのロイヤルバレエアカデミーに留学。高校卒業後、演劇を目指して文学座の養成所に入所。市川崑監督『愛ふたたび』(71年)でデビューを果し、数々の映画に出演。1977年、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』に出演。その後、テレビ、映画で活躍。『SAYURI』(05年)でハリウッド進出、『無花果の花』(06年)で監督デビューを果した。2006年の『武士の一分』で久々に山田洋次作品に出演。

あらすじ(ネタバレ注意)

満男が作文で三重丸をもらって帰ってきた。
とらやの夕餉のひととき、寅さんが満男の作文を読み上げる。

ぼくのお母さんとお父さんは、恋愛結婚だ。
だから、お母さんはお父さんのことを、「博さん」と呼んでいる。
お父さんは、お母さんのことを「おい、さくら」と、ちょっと威張っている。
でも本当は、お父さんはお母さんをとても大事にしている。

お母さんが、時々悲しい顔をする時がある。それは、おじさんが帰ってきた時だ。
おじさんの名前は寅さんと言って、お母さんのたった一人のお兄さんだけど、いつも恋愛ばかりしていて、そのたんびにふられるから、今でもお嫁さんがいない。

近所の人が悪口を言うと、お母さんはとても悲しそうな顔をする。
ぼくはおじさんが、はやくお嫁さんをもらって、お母さんを安心させて欲しいと思っている。

寅さん「この赤い字は誰が書いたの?」
ひろし「とてもよく書けました。ほんとに困ったおじさんね……先生です。」
満男の書いた作文で気まずくなり、いたたまれなくなった寅さんは旅に出る……

北海道白老町 虎杖浜神社(いたどりはま)
ネクタイの啖呵売。
さあ!北海道のみなさん!開拓時代のご苦労お察し申し上げます。さて、わたくしが、ここで取りいだしましたるイタリアの高級ネクタイ!
待ってくださいよ、今新聞に出ているニセモンじゃぁない。大きな声じゃ言えないけどね、これは密輸品。ね、だから急いで売らなきゃならない。
カドは一流デパートの赤木屋、白木屋、黒木屋で、紅白粉つけたお姐ちゃんから、くださいちょうだいで買ってごらん、一万から五千円はくだらないシロモンだよ?
うちはそんなにくれとは言わない!もう安く売っちゃおう!ね?どう、お兄さん、ホラ、アランドロンそっくりだ!

 

北海道登別地獄谷 大湯沼のほとり
湯気をたてる大湯沼に石を投げている寅さん。そこへ車で一人旅に来ていたひとみ(桃井かおり)が通りかかる。

「よかったら乗っていきません?」と声をかけるが、寅さんは「ああ、ありがとう、オレはそういう狭いところ苦手なんだよ」と断る。別れ際、「若い娘がな、旅の行きずりの男をそんな気安く誘っちゃいけないよ。もし、悪い男だったらどうするんだい。そうだろ?」と、粋な台詞でひとみを見送る。

数日後……
一人旅の途中のひとみの車が峠でガス欠してしまい、そこに通りかかった若い男(湯原昌幸)に助けられる。
「僕の友達がね、その先でガソリンスタンドやってんですよ。そこの若い衆に取りにこさせましょう。それまであなたはどっかでお茶でも飲んでたらいいですよ」
「わぁー、助かっちゃう、すいません♪」と、知らない男の車に気安く乗り込むひとみ。

支笏湖湖畔の美笛キャンプ場近く
まったりと湖をながめる寅さん。ひとみを乗せた若い男の車が、寅さんの後ろの草むらなかに停まる。
「キャ~!」「キャ~~ッ!」
と、車の中から悲鳴が聞こえる。ひとみが車内で襲われそうになっていたのだ。
すんでのところで男の魔手から逃げおおせたひとみが、様子を見に来た寅さんのところへ一目さんに駆け寄る。

寅さんと出くわし取り乱す男が虚勢を張ってわめく。「なんだぃ、あんた!」

正義の味方!寅次郎登場
「なんだぃ兄さん、おんな口説くんだったらもう少し上手くやったらどうだい」

寅さんの粋な啖呵に、男は逃げるように去って行く……

その日、寅さんはひとみと同じ宿に泊まることになったのだが、この痴漢男、実は支笏湖の旅館の若旦那。寅さんは若旦那の婦女暴行未遂を盾に、ちゃっかり宿賃をロハにさせる。
ひとみは、田園調布のいいとこのお嬢さん。寅さんは田園地帯の農村の娘と勘違い。よくよく話を聞いてみると、良家の息子・邦夫(布施明)との結婚式が近いが気乗りせず気分を変えようと旅に出ていたというのだ。

結婚式当日

北海道から帰ってきた寅さんが、静岡に商売にいく途中でとらやに立ち寄る。
そこへ、式場のホテルからとらやにタクシーを乗りつけてきたひとみ、がウェディング姿のまま駆け込んでくる。
式場からタクシーで逃走した花嫁の姿にとらやの面々はビックリ仰天。とらやはてんやわんやの大騒ぎ。

母親が迎えに来ても「自分で生計を立てる」と言い張るひとみはとらやで暮らし、寅さんは恋人きどりを始めた。
そこへ結婚するはずだった邦男が度々訪れ、失恋豊富な寅さんに慰められた。

やがて邦男はアパートに来たひとみに「好きだ」と初めて口にする。
一度は結婚から逃げたひとみだったが、再び結婚を決意するのであった……

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