談志師匠の『つるつる』
一八は、芸者のお梅という女性に、3年も4年も惚れ続けている。
もうこれ以上片想いもしていられなくなって、なんだか遠回りに、わかりやすく照れ隠ししながら“プロポーズ”。
そうしたら、意外にもお梅は「女房になっていいよ」と返事をする。
「『愛』や『恋』じゃなくて、私はお前さんという『人間』が好きなんだよ」というお梅。
ただし、この婚約には一つ条件があって、「今晩、深夜2時に必ず迎えに来ておくれ。仮に1分でも遅れたら、この話はなかったことでよろしく」。
「大丈夫ですよ、必ず深夜2時に伺いますよ!」と応じ、有頂天でお梅の部屋を出ていく一八。
しかし、将来を喜びながら道を歩いていると、偶然、ご贔屓の大将に「今晩、酒に付き合え!」と声をかけられてしまい……。
「たまには一八を幸せにしてやってもいいじゃねえか」と考え、独自の解釈を織り込みむ。
さまざまな噺の再解釈、再々解釈に挑み続け、本来ならばしくじるはずのたいこもちの一八の恋が成就するというバージョン。
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