まるでブラックホールのようなベンタブラック(ヴァンタブラック)
[出典:POPULAR SCIENCE http://www.popsci.com/only-one-artist-can-use-blackest-material-in-world]
ベンタブラック(Vantablack)は、カーボンナノチューブから構成される、可視光の最大99.965%を吸収する物質。光が当たると、それを跳ね返すのではなく「チューブの森」に捉え、チューブ内を何度も屈折させ最終的には吸収されて熱として放散される。
英国Surrey NanoSystems社が製造するベンタブラック®は、地上で最も黒い物質である、反射率0.2%のブラックコーティングです。衛星搭載の黒体校正システムの一部として開発されたベンタブラックは、独特の物理的特性と光学的特性を活かし、衛星搭載機器から美術品まで、様々な用途のコーティング材として幅広い利用が見込まれます。
スプレー方式のベンタブラック S-VIS(反射率0.2%)を使用することで様々な形状の筐体へのコーティングが可能になります。
はじめて、Vantablackを見たひとは、そのあまりの違和感に、ちょっと戸惑うのではないでしょうか。僕も初めてみたときは、戦時中の墨塗り教科書を連想しました。(使ったことないけど)
まるで画像の一部を黒で塗りつぶしているようにしか見えませんよね。
ヴァンタブラックは、墨の黒さとは比較にならないほどの真っ黒くろすけなんですね。
【以下引用します】
「世界一黒い物質」、英企業が開発
英ロンドン郊外で開催中のファーンボロー国際航空ショーに出展され、話題を呼んでいる黒い物質。英企業が開発した「世界で最も黒い物質」はまるでブラックホールのように光を吸い込み、それで覆われた物体の形状を人間の目で見分けることはできない。
「ベンタブラック」と名付けられたこの物質は光の99.96%を吸収する。
黒い塗料や布地などに見られる通常の黒色は吸収率が95~98%。開発元のサリー・ナノシステムズ社によれば、英国立物理学研究所や米国立標準技術研究所で試験されたなかで最も黒い物質だという。
ベンタブラックは直径2~3ナノメートル(ナノは10億分の1)の多数のカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)からできており、アルミホイル上で生成される。
ホイルだけのときは目に付く表面のしわも、ベンタブラックに覆われるとまるで消えてしまったかのように識別できなくなる。
「穴のようだと言う人もいる。ホイル上のでこぼこを識別するのに必要なだけの光が文字通り出てこないから」と、同社のスティーブ・ノーザム氏は言う。
[出典:CNN.co.jp]
光をほとんど吸収するので(反射しないので)凸凹が見えなくなってしまうんですね。
驚愕の光吸収実験!
照射された光が見えなくなるマジックのなようなシーンです。
2014年に開発されたヴァンタブラックですが、2016年現在さらに光の吸収率を高める実験を進めているそうです。
ブラックがあるなら、ホワイトがあってもいいじゃない?
「ヴァンタブラック」があるのなら「ヴァンタホワイト」があってもいいじゃない?
って、思うのはいつまでも少年の心を忘れない人が考えることです。
では、光をほぼ100%近く反射する白ってあるのでしょうか?
はい!
ありましたありました。(ググりました)
白は、全ての色の可視光線が乱反射されたときに、その物体の表面を見た人間が知覚する色である。
無彩色で、膨張色である。100%の反射率を持った「理想的な白色」の物体は実在しない。
現在、ほぼ理想的な白色物質として利用されているのが酸化マグネシウムや硫酸バリウムであり、これらは可視光線のほぼ全領域にわたって99%以上の反射率を示す良好な白色素材である。
工業的にはチタン白・二酸化チタンが多用される。鉛白は油絵具に使われる。[出典:wikipedia]
なるほど、白は乱反射された光を見た時の色なんですね。
と、いうことで、ヴァンタホワイトは、二酸化チタンあたりに該当するようです。
白塗りすると白さが映えて、いいそうです。
ヴァンタブラック技術を応用した商品
これの技術を服に応用したらどうだろうか?
そう、考える商人(あきんど)たちは多いに違いない。
そんな質問を開発者にしてみたところ、秒速で却下されたようだ。
ボール紙の切り抜きみたいに見えるでしょう、と開発者のノーザム氏は語る。
想像図。こんなかんじらしい。
↓
ううむ……
所長がつくったコラージュがあまりにも下手くそなので、なんとも言えないけれど
頭部と腕、脚がだけが三次元で、ドレスは二次元的な感じになるのでしょうねえ……
たしかに、おかしな感じがします。
イメージに近いのはこんな感じでしょうか。(全身黒塗りもおかしいけど)
ヴァンタブラックは、不必要な光を抑制することによって性能が向上するもの……
たとえば空撮カメラや宇宙望遠鏡、赤外線スキャンシステム、などへの応用が考えられているそうです。
2023年02月01日(水)追記
2019年にMIT(マサチューセッツ工科大学)が吸収率99.995%の物質を発表するまで既知の「最も黒い物質」であった。
※更新情報
2015年01月17日:初稿
2016年03月14日:Vantablackの日本語表記と記事の一部変更及び最新情報追記
2023年02月01日:追記動画2点追加
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