あらすじ
花火客でごった返す川開きの両国橋を通りかかった「たがや」(桶屋)が、人込みに押されて道具箱を落としたとたん、輪になっていたタガ(竹の輪)が弾けた勢いで、近くの馬上の殿様の笠を飛ばしてしまった。
「とんだ粗相を申し訳ありません」と平謝り。
「勘弁ならん」と殿様が馬の上で怒る。
「家で、身体の不自由な二親が待ってます」
「くどい」「これだけ謝っても許さねえってんなら、どっからでも切りやがれ、丸太ん棒め、二本差しが怖くて焼き豆腐が食えるか」
馬上の殿様が「無礼者、切り捨てろ」と、家来が刀を抜くと、体をかわして腕に噛みつき、落とした刀を拾って逆に家来を切った。
民衆が草履や下駄を殿様に投げつける。
馬から降りた殿様が槍を構えて睨み合い。
突かれた槍をたがやが片手で掴み、持った刀で槍の穂先を切り落とした。そのまま横に払って、殿様の首が空中にスパーンと上がると、見物一同、
「たぁがや~」
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