第36作 1985年(昭和60年)12月28日公開
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(57)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(44)
- 諏訪博:前田吟(41)
- 諏訪満男:吉岡秀隆(15)
- 車竜造:下條正巳(70)
- 車つね:三崎千恵子(65)
- タコ社長:太宰久雄(62)
- 御前様:笠智衆(81)
- 源公:佐藤蛾次郎(51)
- あけみ:美保純(25)
- タコ社長秘書:マキノ佐代子(27)
- ポンシュウ:関敬六(57)
- 式根島分校生徒:中本賢(アパッチけん)(29)
- 式根島分校生徒:光石研(25)
- 麒麟堂:人見明(63)
- 下田の長八:笹野高史(37)
- 酒井文人:川谷拓三(44)亡妻は真知子の親友。娘を残してなくなった親友のために、真知子は定期的に酒井文人と千秋と会ってきた。文人はいつしか、真知子に惹かれ、再婚するならと思っている。仕事はロシア語辞書の編纂。勤務先はお茶の水。
マドンナ:島崎真知子/栗原小巻(当時40歳)
式根島の小学校教師。壷井栄の小説や木下惠介監督の映画で知られる「二十四の瞳」のおなご先生に憧れ、十五年前に島の教師として赴任。生徒たちだけでなく、島の人々にも慕われているが、女性としての自分について思い悩む。そこへ寅さんと出会う……
俳優座のトップ女優。彼女のファンをコマキストと呼んだ。渥美清とはTBS「泣いてたまるか」で共演、シリーズ第4作と本作『柴又より愛をこめて』でマドンナを演じている。映画『忍ぶ川』(72年)、『サンダカン八番娼館 望郷』(74年)などに出演。
あらすじ(ネタバレ注意)
タコ社長の娘あけみ(美保純)が夫婦関係に嫌気が差し家出した。タコ社長はテレビの尋ね人コーナーに出演するなどして必死に探し、その甲斐あって、あけみが伊豆の下田にいることがわかった。旅から帰った寅さんは、あけみを連れ戻すために下田へと赴く。仲間の長八のつてであけみを見つけ出し、駄々をこねるあけみをなだめながら、式根島にまで足を運ぶことになった。
そして、島へ渡る船の中で、島の小学校の同窓会に出席する11人の青年に出会った寅さんは、彼らを桟橋で出迎える島のマドンナ、真知子先生(栗原小巻)の姿を目にするや、その美しさにうっとり。教え子の一人になりすますと、『二十四の瞳』の子供のようにはしゃぎ回るのであった。
もちろん、あけみのことなどすっかり頭から吹き飛んでいた。放っておかれたあけみは、旅館の息子;茂(田中隆三)に、絶景や温泉を回りつつ宿に案内されていた。
次の日、あちこち茂に案内されたあけみは、突然茂からプロポーズされる。
しかし、あけみは「人妻なの、ごめんなさい」と告げ、一目散に茂のもとから去っていった。
その夜、あけみは寅さんに明日柴又に帰ることをつげ、寅さんもさくらにきつく言われていた手前、しぶしぶ帰ることを了承し、桟橋で真知子先生に別れを告げ柴又に戻った。
あけみが帰ってきたことに、タコ社長は大喜び。しかし、寅さんはそんなことよりも、真知子先生の事で頭がいっぱいなのであった。しばらくするとそこへ、父親の病気のため上京していた真知子先生がとらやに現れる。すっかり、有頂天の寅さんだったが、真知子はその夜、死んだ親友の娘の父親(川谷拓三)から、プロポーズされていることを寅さんに相談した。
式根島に戻るため、飛行場に見送りにきていた寅さんは真知子に、心中複雑ながらも、是非結婚して幸せになるように告げる……
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