第34話:(2023年9月03日)
概要
天正13年、徳川家康の家庭内での騒動が勃発しました。重臣石川数正が突如、敵である秀吉の元へ走り、家康の家臣たちに衝撃と疑惑をもたらしました。
井伊直政は数正を裏切り者と罵り、徳川家康は冷静に今後の方針を考えるように命じました。石川数正の去った後、情報漏洩の恐れと秀吉に対する攻勢の兆しに、家康と重臣・本多正信は策を練りました。
11月29日、天正の大地震が発生し、多くの被害をもたらしました。特に秀吉が治める畿内一体での被害は甚大でした。民の救済が最優先となり、戦の準備が一時中断となる中、秀吉は家康の運の良さを感じずにはいられませんでした。
その後、家康に勧告される上洛。織田信雄が提案し、秀吉は家康の正室に旭を送り、人質としての意味合いも込めて交渉を進めました。家康は当初拒んでいましたが、本多正信の助言を受け、秀吉の申し出を受け入れました。
新たな正室となった旭は、家康のもとで話し上手として活躍し、豊臣と徳川の間を取り持とうとしました。一方で、本多正信は秀吉のもとで孤立していた数正の様子を探り、家康に報告しました。家康は数正の裏切りの真意に気づき、感慨深く彼の行動を理解しました。
秀吉の最後通告を受け、家康はついに上洛を決断しました。それは数正の思いや家康自身の夢、そして新たな正室・旭の存在が背中を押した結果でした。
10月、浜松城の居室で出立の準備を整えた家康。関白秀吉の人物を見極め、この世を浄土にするという夢を叶えるために、於愛の方と共に新たな一歩を踏み出しました。
ネタバレあらすじ
裏切りと葛藤:石川数正の衝撃的な決断
長らく徳川家康の右腕として力を発揮してきた石川数正の突如とした行動は、家康だけでなく、彼に忠誠を誓う家臣たちにも大いなる衝撃を与えた。酒井忠次や井伊直政など、戦の荒波で共に苦しんできた者たちは、数正の真意を探ろうとするも、理解が及ばず混乱する。
「己の道を選んだのか?」と非難されても、数正の心中は穿つことができず、家康は懐刀の離反を乗り越え、次の一手を見極める必要に迫られました。家康の片腕が秀吉側についたことは、情報漏洩の恐れがあるだけでなく、その影響は戦の行方にも及ぶこととなったのです。
戦略の転換:家康の決断
家康は迷いつつも、秀吉の進軍を予測し、徳川陣営の戦略を武田信玄・勝頼流に転換する決断を下します。この意志の強さと戦術の変更は、家康の覚悟を映し出す一幕となりました。
天の意志:天正地震の影響
1585年11月29日、天正地震が発生。三河地方では多くの死者が出るほどの被害がもたらされました。しかし、最も深刻だったのは秀吉が治める畿内一帯。準備していた大垣城も焼失し、戦の運び手としての秀吉も救済を優先せざるを得ない状況となりました。天の意志か、これにより一時的に戦火は避けられることとなるのでした。
婚姻と説得:家康と旭
家康に勧戦する織田信雄の説得、そして秀吉からの嫁・旭の差し出し。家康は迷いながらも結婚を受け入れ、新たな局面に突入します。旭の人柄は家康の母や側室たちとすぐに打ち解けるものでしたが、家康自身は新しい状況への適応に時間がかかりました。
真意の発見:数正の出奔の理由
家康と数正との関係に焦点を当てる中、数正の真意が明らかになる。数正は徳川家と家康を守るため、自ら悪役となり、家康の心に新たな道を切り開くキーとなりました。その覚悟に気づいた家康は、心の鎖を解き放ち、ついに上洛の道を選ぶのでした。
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