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占いは科学を名乗れるのか:陰陽五行・ゴークラン・社会科学――「根拠」と呼ばれるものを検証する【Kindle出版】

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新刊紹介『占いは科学を名乗れるのか』――「科学です」と言われた瞬間に、思考を止めないために

占いを信じるか、信じないか。

この問いは、意外と雑に扱われがちです。

「占いなんて迷信だ」と切り捨てる人もいます。
「昔から続いているのだから、何かあるはずだ」と考える人もいます。
「統計学ではないとしても、科学ではないのか」と言う人もいます。

今回紹介する新刊『占いは科学を名乗れるのか:陰陽五行・ゴークラン・社会科学――「根拠」と呼ばれるものを検証する』は、その曖昧な部分に正面から踏み込んだ一冊です。

本書はこちらから読めます。

問題は、占いそのものではない

本書は、占いを楽しむことまで否定する本ではありません。

星座占いを読んで気分を整える。
タロットで自分の気持ちを整理する。
易を通じて、自分の状況を見直す。

そうした使い方は、文化であり、娯楽であり、内省のきっかけにもなります。

問題は、そこに「科学」という言葉が貼り付けられたときです。

「科学的根拠があります」
「自然法則です」
「社会科学です」
「経験科学です」
「何千年も続いてきました」

こう言われると、ただの占いではなく、何か客観的な根拠があるように見えてしまいます。

けれど、本当にそうなのでしょうか。

「根拠」と呼ばれるものを、一つずつ検証する

本書では、占い擁護論でよく使われる言葉を、一つずつ検証しています。

たとえば、ゴークランの火星効果。
占星術を擁護する人がよく持ち出す、「著名なスポーツ選手は火星が特定の位置にあるときに生まれやすい」という話です。

しかし、仮にそこに一部の相関があったとしても、それは「著名スポーツ選手と出生時の火星位置」という限定された話です。大殺界、空亡、天中殺、相性鑑定、開運指導まで正当化する根拠にはなりません。

陰陽五行も同じです。
東アジアの思想・医学・暦・文化に大きな影響を与えてきたことは事実です。けれど、文化的・思想的に重要であることと、現代科学の意味で自然法則であることは別です。

干支と暦も同じです。
時間を整理する優れた体系であることと、その時間分類が個人の運命を予測できることは別です。

社会科学も同じです。
占いが社会科学の研究対象になることと、占い理論そのものが社会科学的に正しいことは別です。

「何万人を鑑定してきた」という経験も同じです。
経験を積むことと、その経験が科学的データになることは別です。

「長く続いてきた」も同じです。
長く続いたことは、文化的に求められてきた証拠にはなります。しかし、それだけで真理の証明にはなりません。

科学を名乗るなら、何を引き受けるのか

本書の核心はここにあります。

科学とは、権威のラベルではありません。
検証され、批判され、修正され、第三者に確認される方法です。

科学を名乗るなら、少なくとも次の問いに答える必要があります。

何を予測しているのか。
何が起きたら外れたことになるのか。
判定基準は事前に決まっているのか。
当たった事例と外れた事例を両方集計しているのか。
第三者が検証できるのか。

これらを示さないまま「科学です」と言うなら、それは科学ではなく、科学の権威を借りた説明です。

本書が手渡す三つの問い

本書は、占いとの距離を取るために、三つの問いを提示します。

第一に、それは検証可能な仮説か、検証不可能な信念か。

第二に、「科学」「統計」「自然法則」「社会科学」「経験科学」という言葉は、具体的に何を意味しているか。

第三に、その占いの言葉は、自分の視野を広げているか、狭めているか。

この三つの問いを持っているだけで、占いの言葉に飲み込まれにくくなります。

「大殺界だから動かないほうがいい」と言われたとき。
「相性が悪いから別れたほうがいい」と言われたとき。
「悪い気があるから高額な商品を買うべきだ」と言われたとき。

その言葉は、自分の人生の選択肢を広げているのか。
それとも、本来取れたはずの選択肢を狭めているのか。

この問いは、かなり実用的です。

前作とあわせて読むと、さらに分かりやすい

本書は、前作『大殺界・空亡・天中殺を怖がる前に:「占いは統計学です」のウソ』の続編として読むと、より分かりやすくなります。

前作では、「占いは統計学です」という言葉を検証しました。
今作では、その次に出てくる「統計学ではないとしても、科学ではないのか」という反論を検証しています。

前作のLPはこちらです。

前作『大殺界・空亡・天中殺を怖がる前に』の紹介ページを読む

著者と編集者のnoteも公開中

本書については、著者自身のnoteと、編集者側の紹介noteも公開されています。

著者自身の言葉で、本書の問題意識を知りたい方はこちら⇒著者noteを読む

編集者視点で、本書の読みどころを知りたい方はこちら⇒編集者noteを読む

占いに怯える前に、問いを持つ

本書で一番重要なメッセージは、次の一文に集約できます。

科学という言葉に、判断を預けない。
占いの言葉に、自分の人生を委ねない。
問いを持って、自分で決める。

占いを完全に消す必要はありません。
楽しむなら楽しめばいい。参考にするなら参考にすればいい。

ただし、人生の重要な判断を、検証されていない言葉に丸ごと預けてはいけません。

結婚をやめる。
転職を諦める。
治療を先延ばしにする。
人間関係を切る。
高額な鑑定や商品にお金を払う。

そうした判断を、「科学的根拠があります」という言葉だけで決めてはいけない。

本書は、占いを信じる人を攻撃する本ではありません。
占いに怯えている人が、一度立ち止まるための本です。

「科学です」と言われた瞬間に、思考を止めないための本です。

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