あらすじ
蔵前の旦那が根岸に茶室付きの家を買って、隠居した。
せっかくだからと茶の湯を始めるが、作法を知らず、抹茶と間違えて青黄な粉を買って来たが泡立たちが悪いと、更にむくの皮を放り込んで、無理して飲んで「風流だなぁ」と洒落る。
三日も経つと腹が下って仕方がない。誰かを呼んで飲ませよう。
店子連中を招待すると、茶の作法を知らずに恥をかくのは嫌だと引っ越の算段。ま、ともかく行ってみようと、口をつけたら不味いのなんの、最後に本物の旨い羊羹で口直し。
その後、近所でも評判になり、飲んだ振りして羊羹を盗るのが流行った。こりゃたまらんと、旦那がイモをすり潰して灯し油を塗ったお菓子を利久饅頭と称して羊羹に代えた。
客人が不味いお茶の後で、お菓子が欲しいと二つ頬張ったらこれが更に不味い、どこかに捨てるところはないかと探し、廊下から隣の菜畑に投げたら百姓の横っ面にべたっと。
「あーあ、また茶の湯だよ」
※『落語400文字ストーリー』より引用
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