ある寺の住職は負け惜しみの強い方。知らないと言うことが嫌いな人。ある時、風邪をひいて、医者に診てもらう。すんだ後で「転失気はありますか」と聞かれ、知らなかったが「ない」と答えてしまう。先生が帰った後、小僧の弁長に、いつも教えてくれると思うからすぐ忘れてしまうのだから、他の人に教えてもらうほうがいいと、「転失気」を門前の花屋に借りてくるように命じる。花屋はちょっと前にはたくさんあったが、お付けに入れて食べてないとの答え。和尚にその旨を伝えると、医者から薬をもらってくるときに、ついでに聞いてくるように言いつける。その時、自分腹からでたものであるように聞くように付け加える。先生に聞くと「おなら」のことだと教えてくれる。和尚は知らなかったのだとわかり、自分を使って聞いてこさせたのだとわかり、「転失気」は「盃」のことだと嘘を言った。和尚も「飲酒器」のことだと信じ込む。なか一日おいて先生がお見舞いにやってきた。和尚は回復の礼を言うとともに、粗末だが転失気があり、お目にかけると申し出る。先生はちょっと困った顔。「拝見いたすには及ばん」「いやいや、手前自慢の転失気もござる。とりあえず、三つ組みを」「三つ組みの転失気を!!」
[出典:http://yunomi.seesaa.net/article/41731638.html]
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