合わせ鏡的な無限ループとはドロステ効果のこと
Droste effect/Strange loop
ドロステ効果:画像の中の画像
あなたは「ドロステ効果」について聞いたことがありますか?これは、画像が自身を含むような再帰的なパターンを指す珍しい現象で、視覚芸術の世界でよく見られます。
ドロステ効果の起源
ドロステ効果(ドロステこうか、オランダ語:Droste-effect)とは、再帰的な画像(紋章学における紋中紋)のもたらす効果のこと。あるイメージの中にそれ自身の小さなイメージが、その小さなイメージの中にはさらに小さなイメージが、その中にもさらに……と画像の解像度が許す限り果てしなく描かれます。ドロステ効果は、自己言及システムのストレンジ・ループ(Strange loop)の視覚的例です。
名前の由来はオランダのドロステ・ココアのパッケージから。尼僧が持っている盆の上に、ココアの入ったコップと一緒にドロステ・ココアの箱が乗っていて、その箱の絵には、コップとドロステ・ココアの箱が乗った盆を持つ尼僧が描かれています。この絵柄は1904年に始まり、長い間使われ、家庭ではおなじみのものになりました。
フラクタルとの関連
ドロステ効果は、フラクタルとも密接に関連しています。フラクタルは自己相似性(自分自身の形状を小さなスケールで繰り返す特性)を持つ幾何学的な形状で、どのようなスケールで見ても同じパターンが繰り返されるという特性を持っています。ドロステ効果も同様に、画像が自身を無限に繰り返すという自己相似性を持っています。
フラクタルは、自然界の多くの現象を表現するのに適しています。例えば、山の形状、雲、木の枝、血管の分布などは、フラクタルの特性を持つと言えます。これらは全体と部分が似た形状をしており、どのスケールで見ても同じようなパターンが現れます。
フラクタルはまた、コンピュータグラフィックスやアート、音楽などの分野でも広く利用されています。特に、コンピュータを用いて描かれるフラクタルアートは、その美しさと複雑さから多くの人々を魅了しています。
フラクタルの概念は、20世紀の数学者ベノワ・マンデルブロによって導入されました。彼は自然界の複雑さを表現する新たな数学的な方法としてフラクタルを提唱し、その後の科学や芸術の世界に大きな影響を与えました。
映画:ドロステのはてで僕ら
とある雑居ビルの2階。カトウがギターを弾こうとしていると、テレビの中から声がする。見ると、画面には自分の顔。しかもこちらに向かって話しかけている。「オレは、未来のオレ。2 分後のオレ」。どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差で繋がっているらしい。“タイムテレビ”の存在を知り、テレビとテレビを向かい合わせて、もっと先の未来を知ろうと躍起になるカフェの常連たち。さらに隣人の理容師メグミや5階に事務所を構えるヤミ金業者、カフェに訪れた謎の2人組も巻き込み、「時間的ハウリング」は加速度的に事態をややこしくしていく……。襲いかかる未来、抗えない整合性。ドロステのはてで僕らは̶
ドロステ効果の応用
ドロステ効果は、芸術やデザイン、映像などの分野でよく利用されます。例えば、エッシャーの「プリント・ギャラリー(Print gallery)」や、映画「インセプション」のポスターなどに見ることができます。また、一部の数学的なパズルや錯覚の作成にも使用されます。
ドロステ効果は、視覚芸術の世界で独特の魅力を持つ現象です。画像の中に同じ画像が無限に繰り返されるというこの効果は、視覚的な錯覚を生み出し、観る者を深淵へと引き込みます。次回あなたが画像を見るときは、ドロステ効果を探してみてはいかがでしょうか?
動画で見るドロステ効果の例
Droste-effect画像集
[出典:smashinghub.com]
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