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2015年3月13日(金):初投稿
2026年6月12日(金):スティーヴン・ホーキング博士の死去(2018年)、第87回アカデミー賞の受賞結果、ホーキング夫妻の離婚・再婚など実話の経緯を反映し、公開当時の表現を恒久的な記事に書き換え

難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘いながら現代宇宙論に大きな足跡を残した理論物理学者スティーヴン・ホーキングと、その半生を支えた最初の妻ジェーンの関係を描いた伝記映画が『博士と彼女のセオリー』です。原題は『The Theory of Everything』。2014年にイギリスで製作され、日本では2015年3月13日に公開されました。ホーキングを演じたエディ・レッドメインが第87回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した作品です。
原作はジェーン・ホーキングが2007年に発表した回想録『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』。監督は、ドキュメンタリー『マン・オン・ワイヤー』でアカデミー賞を受賞したジェームズ・マーシュが務めました。
人工知能に警鐘を鳴らした天才物理学者
アインシュタインの相対性理論を正確に理解できる人は多くありませんが、ビッグバンという言葉はほとんどの人が知っています。ホーキングはその宇宙論を一般向けに語った著書『ホーキング、宇宙を語る』(1988年)で世界的に知られるようになり、現代科学を象徴する存在となりました。
研究の一方で、ホーキングは社会への発言でも注目を集めました。2014年12月、BBCのインタビューで人工知能の危険性に触れ、次のように述べています。
われわれがすでに手にしている原始的な人工知能は、極めて有用であることが明らかになっている。だが、完全な人工知能の開発は人類の終わりをもたらす可能性がある。ひとたび人類が人工知能を開発してしまえば、それは自立し、加速度的に自らを再設計していくだろう
1942年1月8日に生まれたホーキングは、ケンブリッジ大学で研究を続けていた21歳のときにALSを発症し、余命2年と宣告されました。それでも研究をやめず、1974年にはブラックホールが放射によって質量を失い最終的に消滅するという「ホーキング放射」の理論を発表して、科学雑誌『ネイチャー』の表紙を飾ります。宣告から半世紀以上を生き、2018年3月14日にケンブリッジの自宅で死去しました。76歳でした。亡くなった日は奇しくもアインシュタインの誕生日にあたります。
難病と向き合ったその日々の壮絶さは、研究者としての名声ほどには知られていません。一時は生命維持装置につながれた瀕死の状態となり、医師が妻に安楽死を提案する場面もありました。ジェーンはこれを拒み、博士を支え続けます。本作は、そのジェーンの回想録をもとに映画化された作品です。
ネタバレあらすじ
物理学の天才として将来を期待される青年スティーヴン・ホーキングは、ケンブリッジ大学在学中、詩を学ぶ女性ジェーンと出会い、恋に落ちます。しかし直後にALSを発症し、余命2年の宣告を受けます。それでもジェーンはスティーヴンと共に生きることを決め、2人は力を合わせて難病に立ち向かっていきます。
結婚後、ジェーンは2人の子どもを出産します。1974年、スティーヴンはホーキング放射の理論を発表して時の人となりました。一方で、子育てと夫の介護に追われるジェーンは心身ともに疲弊していきます。
母ベリルの勧めで教会の聖歌隊に加わったジェーンは、指揮者のジョナサンと出会います。ジョナサンは長男ロバートにピアノを教えるためホーキング家に出入りするようになり、やがてスティーヴンの介護も手伝うようになります。
ジェーンが3人目を妊娠すると、周囲はジョナサンが父親ではないかと疑います。ジョナサンは距離を置こうとしますが、スティーヴンは「ジェーンには君が必要だ」と引き留めます。スティーヴンは、ジェーンとジョナサンが互いに惹かれ合っていることに気づいていました。
実話との関係とその後
映画はスティーヴンとジェーンのラブストーリーとして描かれますが、現実の2人は最終的に離婚しています。スティーヴンは「富と名声を得てから関係が変わった」と説明していました。無神論者のスティーヴンと、熱心なキリスト教徒だったジェーンの信仰上の違いを背景に挙げる見方もあります。
実際の経緯はこうです。2人は1990年に別居し、1995年に離婚しました。同じ年、スティーヴンは看護師のエレイン・メイソンと再婚します。ジェーンは1997年に音楽家のジョナサン・ヘリヤー・ジョーンズと再婚しました。スティーヴンはのちにエレインとも離婚し、晩年はジェーンや3人の子どもたちが再び支えています。ジェーンが2007年に発表した回想録が、本作の原作となりました。
受賞歴
本作は第87回アカデミー賞(2015年)で、作品賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞・作曲賞の5部門にノミネートされ、ホーキングを演じたエディ・レッドメインが主演男優賞を受賞しました。レッドメインはこのシーズン、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門主演男優賞)、英国アカデミー賞(主演男優賞)、全米映画俳優組合賞(主演男優賞)も受賞しています。ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
キャスト
エディ・レッドメイン:スティーヴン・ホーキング

フェリシティ・ジョーンズ:ジェーン・ワイルド・ホーキング(妻)

マキシン・ピーク:エレイン・メイソン(スティーヴンの2番目の妻)

チャーリー・コックス:ジョナサン・ヘリヤー・ジョーンズ(ジェーンの2番目の夫)

エミリー・ワトソン:ベリル・ワイルド(ジェーンの母親)

ガイ・オリヴァー=ワッツ:ジョージ・ワイルド(ジェーンの父親)

サイモン・マクバーニー:フランク・ホーキング(スティーヴンの父親)

アビゲイル・クラッテンデン:イソベル・ホーキング(スティーヴンの母親)

- シャーロット・ホープ:フィリパ・ホーキング(スティーヴンの妹)
- ルーシー・チャペル:メアリー・ホーキング(スティーヴンの妹)
- デヴィッド・シューリス:デニス・シャーマ
- エンゾ・シレンティ:キップ・ソーン
- ゲオルグ・ニコロフ:アイザック・カラトニコフ
- アリス・オル=エウィング:ダイアナ・キング(バシル・キングの妹でスティーヴンの友人)
- ハリー・ロイド:ブライアン
スタッフ
- 監督:ジェームズ・マーシュ
- 脚本:アンソニー・マッカーテン
- 原作:ジェーン・ホーキング『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』
文責:ライターズラボ編集部(2026年06月12日(金)07:31執筆)


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