★三遊亭圓生(六代目)御神酒徳利(占い八百屋)

三遊亭圓生(六代目)

御神酒徳利(おみきどっくり)は、落語の演目の一つ。
中国、トルコなどにも類似の民話があるという。
上方落語の演目で、東京には5代目金原亭馬生(俗称、オモチャ屋の馬生または赤馬生)が上方で教わり6代目三遊亭圓生へ伝えた。
6代目三遊亭圓生は、昭和48年に宮中の「春秋の間」でこの噺を御前口演した。
なお『占い八百屋』という別題で、もう一つのストーリーが存在するが、これは3代目柳家小さんが上方で教わり、東京の柳派で広めた型である。
ほとんど演じられることはないが、近年桂文珍がネタを再構築して演じている。

あらすじ

馬喰町に刈豆屋という旅籠があった。師走十三日は年に一度の大掃除。
ご先祖さまが徳川家よりいただいた家宝の御神酒徳利を盗られでもしたらたいへんだと、かよい番頭の善六がとりあえず水瓶のなかに沈めておいた。
ここまでは上出来だったが、なんと善六はそのことをすっかり忘れてしまった。

さあ刈豆屋では「大事な御神酒徳利がなくなった」と大騒ぎ。
家へ帰った善六は水瓶のなかへ入れておいたことを思い出したが、いまさら「自分が忘れておりました」とはいい出しにくい。
そこで、女房の入れ知恵もあって、そろばん占いで徳利の行方を占うということにした。

適当にそろばん玉をはじいて台所をウロウロ、とどのつまり水瓶のなかの御神酒徳利を見つけ出すという企みがまんまと図に当たり、主人をはじめ、みんな大喜びで祝宴がはじまった。

たまたまその日に泊まっていたのが、大阪の鴻池善右衛門の支配人。その支配人が善六に「是非大阪までいってほしい」と頼み込む。
それというのも、「鴻池の娘が床について、どんな名医に診せても癒らない。
そこでなんとか善六に占ってもらいたい」というのである。

断わりたくても断われなくなった善六は、嫌々支配人と大阪に向かう。
ところが神奈川宿の新羽屋という鴻池の定宿に泊まったところ、その宿の主人に密書入りの財布を盗んだ嫌疑が掛かり、取り込みの最中だった。
鴻池の支配人や宿の女将に泣きつかれた善六が、占いで下手人を見つけることになってしまう。

もとより善六に占えるわけがなく、「ここは逃げ出すにかぎる」と夜逃げの支度をしていると宿の女中がしのんでくる。
「病気の親に仕送りしたさに前借りを申し入れましたが断わられてしまい、悪いこととは知りながらつい財布に手を出してしまいました」と泣きながら白状する女中から財布の隠し場所を聞き出した善六は、「これぞ天の助け」と大喜び。

さっそく宿の庭のお稲荷さんのせいにした善六が財布のありかを占い出すので、見ている一同はただただ驚くばかりであった。
嫌疑の晴れた宿の主人からも礼金を貰い、こっそりと件の女中を呼んで「親孝行の為とはいえ、もう妙な了見を起こしちゃいけないよ」これで親に薬を買っておやりとお金を渡してやる。

支配人はすっかり善六を信用し鴻池の屋敷へ連れていったが、困ったのは善六。苦しいときの神頼み、「どうぞお助けください」と断食に水垢離をはじめたところ、神奈川宿は新羽屋の稲荷が夢枕に立った。

「お前が稲荷のせいにしたため『あの稲荷には効力がある』と評判になり、おかげで正一位に出世した。そのお礼として娘の病気のことを教えてやろう。この屋敷の乾の隅の四十二本目の柱の下に埋もれている観音像を掘り出してあがめよ、娘の病気は全快間違いなし」とのこと。

すぐに善六がそのことを鴻池に伝え、稲荷の告げたとおりにすると不思議にも娘の病気が癒ったので、鴻池では米蔵を開いて施しをしたという。
また善六は莫大な礼金をもらい、馬喰町に立派な旅籠を建ててそこの主人におさまった。
生活がケタ違いに良くなったわけである。

「もちろんケタ違いになるわけで、そろばん占いでございますから」

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