★古今亭志ん生(五代目)和歌三神(わかさんじん)

古今亭志ん生(五代目)

俳諧の師匠が、雪が降ったので権助を連れて、向島へ雪見に行く。
酒持参でどこかで飲もうとすると、土手の下で乞食が三人酒盛りをしている。
酒を恵んでやると大喜び。
自分の飲み分が無くなると言う権助をなだめて、したみ酒が無くなった杯に継ぎ足して話を聞くと、
最初の乞食は「名前は安(やす)と言ったがここでは秀(ひで)と名乗っている。そこで安秀と言い、お茶屋さんや料理屋さんの前にある犬の糞を片付けてお金をもらっています。だから糞屋の安秀と言います」、 糞屋の安秀が詠んだ歌は”吹くからに 秋のくさやはさむしろの 肘を枕に 我は安秀”
次の乞食は
「日向で暖ったかな垣根の下で丸くなって寝ているばかりなので、垣根の本(もと)の人丸ってみんなは言います」
垣根の本の人丸は”ほのぼのと あかしかねたる 冬の夜に ちぢみちぢみて 人丸く寝る”と詠んだ。
三人目の乞食は「癩坊(なりんぼう)の平吉と言いますが、平(へい)は”ひら”ですから癩平(なりひら=業平)と言います。」
癩平は”千早ふる 神や仏に見離され かかる姿にわれは業平”と詠んだ。
「ははぁ、なるほどね。おまえさんがたは実に雲の上人(うえびと)、和歌三神ですな」
「いえ、バカ三人でございます」

メモ

「おまえさんがたは雲の上人だね」
「いや、菰(こも)の上人でございます」
とサゲることもある。
志ん生は滅多にやらず、ニッポン放送で一度口演しただけである。

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