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鬼門の間取りは直すべき?『風水で、運は変わるのか』龍青三の新刊を紹介

龍青三『風水で、運は変わるのか』紹介。間取り図と方位磁針、明るい住まいを組み合わせた生成イメージ ✨️Kindle出版
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「その玄関は鬼門だから、変えたほうがいい」。家を建てるとき、引っ越すとき、そんな一言が気になることがある。龍青三の新刊『風水で、運は変わるのか』は、住まいを整える話と、方位が運命を変えるという話を分けて確かめる本だ。改築や開運グッズにお金を使う前に、何を根拠に判断するかを考えたい人に紹介したい。

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占術研究家が、家相を確かめ直した理由

著者の龍青三は、易と四柱推命を中心に活動する占術研究家だ。本書の序章には、半世紀ほど前、建設会社に勤めていたころに家相の相談を受けた経験が出てくる。間取りを変えれば費用と手間がかかる。そこで、家相の直し方を勧めるより、暮らしやすい家を造ることを優先したという。

ただ、そのころは家相のどこまでが確かで、どこからが言い伝えなのかを説明する材料がなかった。本書は、その材料を原典や研究、公的な資料に求めた一冊である。占いの外から一方的に批判するのでなく、相談を受けてきた側が説明の根拠を問い直す。その立場が、読者の不安を置き去りにしない理由になっている。

風水を信じる人を見下す文章でも、置物の選び方を教える開運本でもない。「気になる」という感情は受け止めながら、大きな支出につながる助言をどこまで信用できるかを考えていく。

「家が暮らしに影響する」と「方位が運命を決める」は別の話

本書の読みどころは、風水についての説明を三つに分けるところにある。

  • 住まいの環境が、暮らしに影響すること。
  • 方位や「気」が、人の運命を左右するということ。
  • 置物や模様替えなど、風水の処方に効果があるということ。

この三つは、確かめ方が違う。部屋の寒さや湿気は測定や観察ができる。一方、北東の玄関が不幸を呼ぶという説明には、別の根拠が必要になる。模様替えのあとで良いことがあったとしても、その原因が模様替えだったかは、さらに別の問題だ。

同じ間取りに結び付けて語られるからといって、三つを一度に認める必要はない。住環境を良くする助言が役立ったことを、そのまま方位の吉凶の証明にしない。この区別が分かると、本や鑑定で聞いた説明を一つずつ検討しやすくなる。

同じ家なのに、家相の答えが変わるのはなぜか

家相を見るには、まず家の中心を決める必要がある。ところが第四章では、その取り方自体に複数の説があることが紹介される。柱を基準にするのか、建物の中央にするのか、敷地全体を見るのか。基準が動けば、同じ部屋の方角も変わりうる。

これは「占い師によって言うことが違った」という感想で終わる話ではない。どの基準で判断し、別の基準と食い違ったときにどう確かめるのか、という問題になる。間取りを変える前に、その助言が何を前提にしているかを尋ねる意味が分かる章だ。

第五章と第六章では、鬼門の由来や、鬼門の禁忌を昔の衛生上の工夫とする説明を調べていく。古い家相の記述と、後世に加えられた合理的な説明を読み比べるため、「昔からの知恵だから正しい」という一言では片付かない。もっともらしい説明ほど、元の資料では何と書かれていたかが気になってくる。

「効いた」という実感を否定せず、原因を問い直す

好きな色のカーテンに替えて気分が明るくなる。それは、暮らす人にとって意味のある変化だ。ただし、その喜びと、カーテンが運を動かしたという説明は同じではない。

第七章は、うまくいった出来事をよく覚えていたり、結果を知ってから以前の出来事をつなぎ直したりする、人の判断の特徴を扱う。著者自身が風水を自宅で試した経験も出てくるが、その一例だけで効く・効かないを決める構成にはしていない。

続く第八章では、住宅価格や部屋の印象などを調べた研究について、何を比較し、どこまで分かったのかを読む。縁起の良い番地の家が高く売れたとしても、それだけで住んだ人の運が良くなるとは言えない。値段に表れたものと、暮らしへの効果を取り違えない姿勢が、この本を通している。

本書が調べた範囲で研究を見つけられなかったことを、研究が一つも存在しないと断定しない点にも注目したい。根拠を求める側が、自分の結論だけを大きく見せないための区別だ。

改築を決める前に、今の部屋で確かめられること

第三章と終章で扱うのは、室温、結露やカビ、音、日差し、空気の流れだ。方位の名前を変えなくても、住まいのどこに困っているかは調べられる。朝の部屋が寒いのか、窓に結露が多いのか、外の音で眠りにくいのか。同じ「落ち着かない家」でも、困りごとの中身は違う。

部屋の向きは、日差しや風の入り方と関係する。だからこそ、向きをすべて無意味として切り捨てるのでなく、実際に何が変わるのかを見る必要がある。北東という呼び名を気にすることと、寒さや湿気を確かめることは分けられる。

第九章は、不安に続いて品物や祈とうが勧められる売り方にも目を向ける。気に入った物を飾る楽しみと、悪いことが起きると言われて支払いを重ねることの違いを考える章だ。家を選ぶ人だけでなく、家族から家相を指摘されて迷っている人にも、判断の材料になる。

『風水で、運は変わるのか』の書籍情報

広告・書籍紹介

風水で、運は変わるのか: 家相・鬼門・方位を、住まいの事実で確かめる

  • 書名:『風水で、運は変わるのか』
  • 副題:家相・鬼門・方位を、住まいの事実で確かめる
  • 著者:龍青三
  • 編集:ササハラセイスケ
  • 出版社:フォーチュンサイエンス
  • 紹介する版:Kindle版(電子書籍)

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序章から終章まで、由来、流派の違い、心理、研究、商品の売られ方へと進み、途中には香港の建物などにまつわる四つのコラムも置かれている。各章の末尾では、資料で確かめた内容と、伝承や解釈、仮説が区別される。自分の気になる説明がどこに当たるかを追いながら読める構成だ。

間取りを変える必要があるのかと迷ったとき、先に知りたいのは、何を変えれば何が良くなるのか、その説明の根拠だ。『風水で、運は変わるのか』は、信じるか信じないかを急いで決める前に、その問いを具体的にするための本である。

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