★桂三木助(三代目)味噌蔵

桂三木助(三代目)


1960年(昭和35年)録音

あらすじ

味噌問屋の主人のけち兵衛は、名前のとおり大のけちん坊。女房くらい無駄なものはないと言いなかなか嫁を取らなかったが、親類の骨折りでやっと嫁を迎える。
そのうちに子どもができ、嫁さんは里で出産すると言い里帰りする。無事、男の子が生まれたとの知らせで、けち兵衛さんは番頭に火の用心と、もし近所から火事が出たら商売物の味噌で蔵の目塗りをするよう番頭に言いつけ、貞吉に重箱を持たせ、きたない下駄を履いて行くように言い出かける。出た料理を重箱に詰め、新しい下駄を履いて帰るためだ。
主人は泊りがけで留守というので、店の者はこれ幸いにと、晩飯には好きな食べ物を注文する。帳簿の方は番頭が「どがちゃか、どがちゃか」でごまかすという寸法。
「鯛の塩焼き」、「ぶりの照り焼き」、「天ぷら」、「寿司」、「刺身」、「たこの酢の物」、「さつま芋」、「味噌田楽」等、そして酒の大盤振る舞いだ。田楽は焼きたての物を二、三丁づづ持ってくるように豆腐屋に頼む。
番頭を筆頭に店の連中が食べて飲んで、酔いが回ってドンチャン騒ぎの真っ最中に、店のことが気がかりなけち兵衛さんが、料理を詰めた重箱を忘れてきた貞吉に小言を言いながら帰ってくる。店の近くまで来るとこんな夜更けまで騒いでいる家がある。まさかと思いきや、なんと自分の店。
主人はあわてふためく番頭をはじめ、店の者を叱りつけ寝かせてしまう。すると、店の戸を叩く音、横丁の豆腐屋が焼けた田楽を持って来た。
豆腐屋「焼けてきました、焼けてきたんですがね」
けち兵衛「どうもご親切に、どちらから焼けてきました」
豆腐屋「横丁の豆腐屋からです」
けち兵衛「どれほど焼けてきました」
豆腐屋「二、三丁です」
けち兵衛「火足が早いね、どんな様子です」
豆腐屋「あとからどんどん焼けてきます」、けち兵衛があわてて戸を開けたとたんに田楽の味噌の匂いがプ~ンと入ってきた。
けち兵衛「いけない、うちの味噌蔵にも火が入った」

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