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おあいそは失礼?意味と由来、お勘定との違いを解説

「おあいそ? お勘定?」という文字と、会計票と湯飲みのイラスト 雑学・豆知識
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食事を終えて「おあいそ」と言ったあと、「それは店の人が使う言葉で、お客が言うと失礼だ」と聞いたことはありませんか。気になって辞書を確かめると、「おあいそ」には飲食店の勘定という意味が載っています。言葉の意味と、その場で相手にどう聞こえるかは、分けて考えたほうがよさそうです。

迷ったときの言い方は簡単です。「お会計をお願いします」または「お勘定をお願いします」と伝えれば、支払いをしたいという用件がはっきりします。これはこの記事からの提案です。誰かの「おあいそ」を、言葉だけで失礼だと決めるための話ではありません。

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「おあいそ」は、お世辞だけではありません

『デジタル大辞泉』は「御愛想」に、相手に合わせた言葉、もてなし、飲食店での勘定という意味を挙げています。普段の会話に出てくる「愛想がいい」と、食事の終わりの「おあいそ」は、同じ漢字でも使われ方が違います。御愛想の辞書項目(コトバンク)

たとえば、友人について「愛想がいいね」と言えば、人への接し方の話です。店員に「おあいそをお願いします」と言えば、食事代を精算したいという用件として読めます。前後の場面を外し、字面の「愛想」だけから意味を一つに絞ると、この違いが消えてしまいます。

「おあいそは勘定の意味を持たない」という説明なら、辞書の記述とは合いません。一方で、辞書に意味が載っていることと、どんな口調でも好ましく聞こえることは別です。短く強い声で「おあいそ!」と言うのと、相手を見て「お勘定をお願いします」と言うのでは、言葉以外の部分も変わります。

由来の説明と、確かめられる用例を分ける

『精選版 日本国語大辞典』の「愛想」には、勘定の意味を「あいそづかし」の略とする説、もとは関西の言葉だという説明があります。ただし、語源の箇所は「という」と留保されています。断定の形へ強めて紹介する必要はありません。愛想の辞書項目(コトバンク)

同辞典が勘定の意味の用例として挙げているのは、上司小剣の『鱧の皮』(一九一四年)です。したがって、その年の作品に勘定を指す使用例があることは、辞書から確かめられます。けれども、一九一四年に言葉が生まれた、とまでは言えません。作品の年は、誕生した日付とは違うからです。

店側の恐縮の言葉だったという説明を聞いても、「その説明の出典はどこか」「今の意味まで否定できるのか」と問いを分けてみましょう。由来の物語だけで、今使っている人の意図を判定するのは難しいものです。

お勘定・お会計との違いは、用件の分かりやすさ

食事のあとに伝えたいのが支払いの用件なら、この記事では次の言い方を提案します。

  • 席で支払いを頼むとき:「お勘定をお願いします」
  • レジで精算したいとき:「お会計をお願いします」
  • どこで払うか分からないとき:「お会計はどちらでできますか?」

この三つは、呼びかけの例としてこちらで作ったものです。店ごとの決まりや、敬語の唯一の正解を示す一覧ではありません。相手が対応できるよう、何をお願いしたいかを言葉にするための例です。

聞き慣れない言葉を無理に使わなくても、用件は伝えられます。反対に、身近な人が「おあいそ」と言っていたからといって、その場で語源の説明をして言い直させる必要もありません。言い方を選ぶことと、人を採点することは分けておけます。

「業界の言葉」を読むときにも役立つ区別

ある仕事の中で使われていた言葉が、一般の会話へ入ってくることがあります。そのとき、昔の使い方を調べるのは面白い作業です。ただし、昔の意味を一つ知っただけで、今のすべての場面が決まるわけではありません。

「おあいそ」を調べるときは、辞書に載る意味、由来として説明される説、その場での口調や文脈を分けてみてください。支払いを頼む用件なら、「お会計をお願いします」で十分です。由来が気になるなら、そこで確かめたことと、まだ分からないことを区別して読むと、雑学も思い込みになりにくくなります。

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