鉛筆で書いた線を消しゴムでこすると、紙が白くなり、代わりに黒っぽい消しクズが残ります。字が見えなくなったのは、黒い色そのものが消滅したからではありません。紙に付いていた黒鉛が、消しゴムの側へ移ることで線が薄くなります。
いつも使っている道具ですが、「どうして消しクズが必要なのか」「紙のカバーは外してもよいのか」と考えると、形にも理由があります。鉛筆の線から順に見ていきます。
鉛筆の黒い線は、紙に付いた黒鉛
鉛筆の芯は、黒鉛と粘土を混ぜて焼き固めたものです。紙に書くと芯の細かな粒が紙に残り、それが黒い線として見えます。鉛筆という名前でも、芯の主成分は金属の鉛ではありません。三菱鉛筆「マークシート用について知りたい」
線を取り除くには、紙に残った黒鉛を取り去る必要があります。白いものを塗って隠す修正とは、ここが違います。書いた紙と消した紙を見比べるときも、白く見えるかだけでなく、紙の表面や筆圧の跡まで見ると、起きたことを考えやすくなります。
黒鉛を取り込み、消しクズとして離れる
トンボ鉛筆の解説によると、紙の繊維の間にある黒鉛の粒は、こすった消しゴムに付着し、消しクズに取り込まれます。消しゴムが細かく崩れながら、黒鉛を紙から運び出しているわけです。トンボ鉛筆「消しゴムの豆知識」
このため、消しクズは単なる余りではありません。黒鉛を取り込んで紙から離れたものでもあります。使った面や消しクズに黒い色が付くのは、字がどこへ行ったかを考える手掛かりになります。
消した後に紙のへこみが残る場合は、色が残っているのか、筆圧の跡なのかも分けて見てみましょう。跡をなくそうと同じ場所をこすり続けると、紙の表面まで傷めてしまいます。
紙のカバーは、包装だけではない
消しゴムを囲んでいる紙のカバーは「スリーブ」と呼ばれます。手で持つ部分を覆うほか、消しゴムのたわみを支えて、使いやすくする役目があります。小さくなってきても、全部外してしまう前に、カバーをずらして使えるかを確かめたいところです。
トンボ鉛筆は、カバーの角が消しゴムへ食い込むのを抑える加工を「Uカット」と説明しています。角の切れ込みも見た目だけの飾りではなく、使うときの負荷を考えた形です。トンボ鉛筆「消しゴムの豆知識」
同じメーカーでも製品によって形は異なるので、手元の消しゴムのカバーを見れば、どの位置で支えているのかを確かめられます。
強くこする前に、消し面と紙を確かめる
消え方が気になるときは、いきなり力を足すより、紙を押さえ、消しゴムのきれいな面で少しずつ確かめます。これは製品の優劣を決める試験ではなく、自分の紙と筆記具で消え方を見るための試し方です。
- 書き損じた大切な原本ではなく、同じ種類の不要な紙を使う。
- 同じ鉛筆で、薄い線と濃い線を離して書く。
- 一部分を小さく消し、残った色と紙のへこみを見比べる。
- 毛羽立ちや破れが出そうなら、それ以上こすらない。
鉛筆の種類、筆圧、紙の厚さなどの条件が違えば、見え方も変わります。比較するなら一つずつ条件をそろえ、「この組み合わせではどうだったか」と見るほうが、道具を選ぶ材料になります。
使った後は、カバーと一緒に保管する
トンボ鉛筆は、消しゴムや消しクズが塗装面やプラスチック面に付着し、それらを溶かすことがあると注意しています。使った後はスリーブへ入れ、机に残った消しクズも片付けます。トンボ鉛筆「モノ消しゴム」使用上の注意
文具をまとめるときも、むき出しの消しゴムを別の道具へ長く密着させないようにします。カバーは使い終わったときにも役立つ部品です。
字を消す動きは短くても、その中では黒鉛が紙から消しゴムへ移り、クズとして離れています。次に鉛筆の線を消したときは、紙だけでなく、消しゴムの先と残ったクズも見てみると、道具の働きを確かめられます。
鉛筆用の消しゴムを選ぶなら
日常の筆記用として候補にしたのは、トンボ鉛筆の「MONO消しゴム PE04」8個入り、品番JCA-811AZです。今回のリンク先は単品ではなく8個入りなので、家庭や仕事で使い続ける量かを確かめて選んでください。
MONOの標準品は鉛筆・シャープペンの線を消す用途の製品です。本文の説明はメーカー資料に基づくもので、今回の商品を使って比較試験をしたという紹介ではありません。購入時は入り数・品番・販売条件を確認できます。
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